オフィスのデスクより、
これまで色んなマンションを見てきていますが、その中でも印象に強く残っているマンションもいくつかあったりします。
今日はそんな印象に残っているマンションの一つをご紹介します。
何が印象的だったのかというと、その物件の管理の在り方に本来のマンションの姿を見たような気がしたからです。
話は、もともと弊社にお問い合わせいただいたお客様から始まりました。
その方は色々とご事情があり、そこまで予算が出せない方でした。
エリアも限られており、予算的には旧耐震でないとなかなか存在しないものでした。
しかも住宅ローンもフラット35に限られていたため、物件的にさらに限られるという厳しい制約条件があります。
物件を探す中で、お客様から気になると言われた、ある中古マンションがありました。
旧耐震の古い物件ではあったものの、管理組合の調査をしていたところ、かなり優良なマンションであったため、本来は旧耐震のマンションはおススメはしないものの内覧をすることにしました。
所有者が住んでいる物件だったのですが、ちょうどその方が管理組合の理事の方でした。
そこで色々管理の話をしていくうちに、その中古マンションが私の経験からしてもかなり珍しい物件でした。
その珍しさというのが、「かなり長い先を見据えた管理」です。
通常マンションでは管理組合が主体となって、その管理を管理会社に委託し、マンションの運営をしていきます。
その管理の中で修繕維持にかかわる活動があります。私が管理組合の調査でもっとも重視するところです。
売主さんとの話で出てきたことが、このマンションは
- 長期修繕計画は100年の計画を作っている
- 将来建て壊すことも考えて解体費用の積み立てもしている
- 場所もいいし、容積率にも余裕があるので、新しいマンションの建築を考えている
- もともとの所有者はかなり安い価格で新しいマンションに住めるようになる
駅などに近く好立地の物件のマンションは将来建て直して、余った部屋を分譲として売り出してもともとの住民の部屋の取得費に充てる・管理組合の収入とするというスキームを描くことができます。
しかし、これを前提として修繕計画を立てている管理組合を、私も話には聞いたことがありましたが、実際にお目にかかったのは初めてです。
もちろん立地がいいからということが大前提で、そうでない立地はこういったスキームは出来ません。
そういった意味でもマンションは立地が何よりも大切ということの裏返しでもあるのですが、それよりも私が感心したのは、その管理組合です。
ちょうど理事の方が「マンション管理士」を持っていて、自ら組合に働きかけて変えていったそうです。
私はこういう姿こそ、本体の管理組合のあるべき姿だと思いっています。
マンションを買ってもあまり管理組合に興味をもたず、管理会社に丸投げ状態のマンションも数多くありますが、そういうマンションは管理会社に結構ぼったくられていて、将来的に修繕積立金の不足に襲われます。
管理組合に関与する方が住民にとっても資産価値増加につながるので、ものすごくいいことだと思うのですが、そこまで理解されていない方が多いのでしょうかね。
少し話はそれますが、経営者的な視点でいえば、ここにとても大きな商機もあるような気がしてなりません。
そういうスキームを管理組合と一緒に描きながら、長期的な修繕計画をたて、主体的に実行していく援助をするマンション管理のコンサルタントなんていいかもしれないですよね。
管理組合にとっても、住人にとっても、ウィンウィンの関係が築けそうです。
実際管理会社のぼったぐり具合が見ていてひどいので、本当にそんなことをここ最近考えています。
あなたも、ぜひマンション購入後は管理組合の運営に積極的に関わるようにしてみてくださいね。
宮田明典