自宅の書斎より、
とある週末に、契約が決まっていたお客様がいたのですが、直前でとあることが発覚し、契約が延期に。
その発覚した内容というのが、住宅ローンの団体信用生命保険(以下、団信)に関わる内容です。
具体的な内容については「緑内障」です。
契約直前で「実は、、、」とカミングアウトがあり、内容が内容だけに売主側の業者と相談をして契約日をリスケしました。
後述しますが、緑内障は軽度であっても団信には引っ掛かることが多い内容です。
お客様ご本人としては、ただ眼科に通って目薬を刺している感覚だったので、特に既往症の類とは考えていなかったようです。
ただその内容を聞く限り、緑内障の初期の段階で4年ほど既往歴があるものの、3〜6ヶ月くらいに一度検査をして、目薬を服用するというもので、最近は改善傾向も見られたそう。
この内容であれば、一般的な団信は難しいかもしれないが緩和型(通称、ワイド団信)であればおそらく加入できるのではないかということで、色々調べてみて分かったことや、お客様のお話を含めた経験談として共有できればと思っています。
緑内障が団信で否決になる理由
お客様も「まさかこのような状況になるとは、、、」と絶句されていましたが、実は緑内障は保険関係で結構厳しくみられます。
その理由は、失明のリスクがあるからです。
死亡保険の支払理由は亡くなった時だけでなく、高度障害に該当した時にも支払われます。
その高度障害の内容の一つに「両目の失明」が含まれており、失明のリスクがある緑内障は特に厳しく見られるのです。
最終判断は保険会社の判断
通常の団信であれ、ワイド団信であれ、最終的な引き受けの判断は保険会社次第です。
そこでネットで検索して出てきたワイド団信の取り扱いのある金融機関と、引き受け保険会社をまとめてみました。
- auじぶん銀行:ライフネット生命保険株式会社
- Pay Pay銀行:クレディ・アグリコル生命保険株式会社
- 三菱UFJ銀行:クレディ・アグリコル生命保険株式会社
- りそな銀行:クレディ・アグリコル生命保険株式会社
- ソニー銀行:クレディ・アグリコル生命保険株式会社
- ちばぎん:クレディ・アグリコル生命保険株式会社
- イオン銀行:イオン・アリアンツ生命保険株式会社
- みずほ銀行:SOMPOひまわり生命保険株式会社
大まかに分けると保険会社は4社になります。
クレディ・アグリコル生命保険株式会社は重複している金融機関が多いので、どれか一つの金融機関から申し込めばいいと思います。
三井住友銀行にもワイド団信があるという話も聞きましたが(ネットで調べたところ、カーディフ生命保険株式会社?)、ホームページなどにも掲載はされていないので、この記事では触れません。
もし今後新しいことが分かれば更新します。
事前審査と同時に告知ができるか
ポイントとして事前審査と同時に告知ができるかということも挙げられます。
本来、団信の告知は本審査で行います。
売買契約を行うには、事前審査に通っていれば大丈夫なのですが、健康に不安がある場合、事前審査の時に告知をして団信に加入できるかどうかを確認しておく必要があります。
この件について、知っている範囲で共有します。
- auじぶん銀行:事前審査が終わっていれば本審査前に団信告知可能
- Pay Pay銀行:
- 三菱UFJ銀行:事前審査時に対応可能
- りそな銀行:事前審査時に対応可能
- ソニー銀行:
- ちばぎん:事前審査が終わってからでないとできない
- イオン銀行:店舗窓口で事前審査と同時対応可能
- みずほ銀行:事前審査時に対応可能
ちなみに私のお客様は、インターネット経由で三菱UFJ銀行に事前審査を申請していましたが、電話をしてもらい、一旦審査をストップして告知書対応に変更してもらいました。
ライフネット生命保険株式会社(auじぶん銀行)の実際のレビュー
金利も安く、いろんなところでおすすめがされているauじぶん銀行ですが、結論を言うと、一番微妙でした。
と言うのも、本来緩和型の保険加入にあたっては、症状や通院の期間、薬の種類など、詳細を記入しないと判断ができません。
しかし、auじぶん銀行の告知の場合、通常の団信と同じように、質問項目にチェックを打つだけで、既往症における詳細記入は一切なかったそうです。(お客様情報です)
それでお客様自身で問い合わせをしたところ、ワイド団信もダメだったとのことでした
auじぶん銀行では、自動的に様々な団信を審査をするようです。
通常、銀行は否決の理由は教えてくれないですが、団信については教えてくれたそうです。
元々、auじぶん銀行ではワイド団信の引き受け保険会社は、クレディ・アグリコル生命保険株式会社でしたが、調べていると2023年4月頃に、現在のライフネット生命に変更されています。
団信の保険料は銀行が負担しますし、借し出し競争で低金利を競っているが故の、予算の関係でしょうか。
結論、ライフネット生命の審査はおそらくワイド団信であってもAI審査をしているのではないかというのが、私の予想です(あくまで、お客様の経験談と私の推測です)。
なので健康な方であればいいですが、ワイド団信を検討しなければいけない状況の方にはあまり向かないと言うのが、私の印象です。
もちろん、審査自体は早く進めることができるので、申し込んでおくこと自体は悪いことではないです。
内容によっては緩和型で加入できるかもしれないので。
クレディ・アグリコル生命保険株式会社
最も多くの金融機関が利用しているクレディ・アグリコル生命保険株式会社ですが、私のお客様は三菱UFJ銀行とちばぎんに事前審査を出しました。
ちばぎんは事前審査時に団信の受付はできなかったのですが、三菱UFJ銀行では、、、
なんと!通常の団信で加入することができました!!
症状が比較的良好だったことも大きいのではないでしょうか。
最終的に私のお客様は、三菱UFJ銀行でローンを実行しました(本当に良かったです)。
ここで知っておいて欲しいのは、auじぶん銀行(ライフネット生命保険株式会社)では緩和型がダメだったのに、三菱UFJ銀行では普通の団信(明治安田生命保険・日本生命)で入れたという事実です。
このように保険会社によって結果が天と地ほどの差があるので、健康に不安がある方はこのポイントを知っておくといいかと思います。
逆にこのことを知らないと、本当なら買えるのに諦めることになるかもしれません。
イオン・アリアンツ生命保険株式会社(イオン銀行)
イオン銀行にも事前審査をしてもらいましたが、5種類の団信があるそうですが、全てOKでした。
ワイド団信云々の話ではありませんでした。
本当に保険会社によって回答は全然違うのだなと実感しました。
健康状態に不安がある方でも通る可能性はある
このように症状や内容にもよりますが、健康状態に不安があっても、団信を借りられる可能性は十分にあります。
ポイントは、少しでも健康に不安があるのであれば、必ず事前審査の時に団信の告知もすることです。
ワイド団信の取り扱いがある金融機関も限られていますし、闇雲に銀行をあたっても効率はもちろん、精神的にも良くないので、そんな時はこの記事を参考にしていただければ幸いです。
ワイド団信も入れない時は?
ワイド団信にも入れない場合はどうなるのでしょうか?
その場合は、フラット35一択になります。
フラット35は団信に加入しないという選択をすることができます(金利が-0.25%安くなります)。
ただこの記事を執筆している時点では、変動金利との金利差が大きいですし、団信がないことに不安を感じることがあるかもしれません。
もう一つ可能性があるとすれば「ろうきん」です。
過去の事例で、団信に入れないお客様がいたのですが、元々入っていた生命保険があったので、特例として団信なしで借りることができました。
生命保険に加入していたこと(保険金額が借入金額より大きかった)という条件がありますが、もしこのような条件に当てはまるのであれば、チャレンジしてみてもいいかもしれません。
病院に通院している方などは、必ず事前に申告しましょう
もしあなたが病院に定期的に通っているのであれば、必ず事前に担当者に申告しましょう。
ご自身では大丈夫だろうと思わず、どんな些細なことでも共有しましょう。
申告があれば、事前に住宅ローン探しのところから順序立てて進めていくことができます。
今回のように契約直前でも非常に肝を冷やしましたが、契約後はもっと肝を冷やします(一応ローン特約の対象になりますが、時間も限られていますし、色んなところに迷惑がかかります)。
また住宅ローンは、物件を探し出す前にしておきましょうと常々言ってきておりますが、こういう意味でも事前にローンについて考えておくことは非常に意義があることなのではないでしょうか。
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https://houseclouver.jp/blog/juutakuroon-jizenshinsa/
houseclouver.jp
ぜひ健康状態に不安がある方は、この記事を参考にしていただければ幸いです。
宮田明典
P.S
この記事は今後常にバージョンアップしていく予定です。