オフィスのデスクより、
住宅を購入するにあたり、ほとんどの方は住宅ローンを利用するのではないかと思います。
住宅ローンを借りるうえで気を付けるべきポイントもたくさんありますが、今日は住宅ローンを「借りた後」でやってはいけない3つのポイントについてお伝えしたいと思います。
1.計画性のない繰上返済
住宅ローンを借りた後に「金利負担を減らしたい」、また「低金利だから投資や貯蓄より良さそう」と考えて、積極的に繰上返済を活用される方がいます。
繰上返済自体はいいことですし、もちろん金融効果を考えると、どんな投資商品よりも良く見えるのも確かです。しかし、繰上返済には「返済計画」が必要になります。
どういうことかというと、長い期間住宅ローンを組むにあたって、教育費がかさむ時期などを考慮した上で繰り上げ返済をしていかないと、いざお金が必要な時に手元に無いという状況に陥りかねません。
住宅ローンを借りる時の計画はもちろん重要ですが、返していくときにも計画が必要であるということを忘れないようにしましょう。
2.住宅ローン控除を意識しない借換
マイナス金利が導入され久しくなりますが、一時期より金利は上昇しつつあるとはいえ、いまだ歴史的に見れば十分な低金利です。
この低金利時代によって、新規に住宅ローンを借り入れられる人はもちろんですが、既存の住宅ローンの借換も増えているそうです。
もともと住宅ローン控除を利用していたという前提で考えれば、借換時に問題になるのは返済期間です。
うっかり、何も考えずに借換をしたことによって住宅ローン控除が利用できなくなったということもあります。
借換後も住宅ローン控除の対象になる条件としては、
- 新しい住宅ローンが当初の住宅ローンの返済のためのものであること
- 新しい住宅ローンが10年以上の償却期間であるなど住宅ローン控除の対象となる要件に当てはまること
があげられます。ここでいう10年以上とは、元の住宅ローンと合わせて返済期間が10年以上になるということです。
つまり金利が安くなるからと言って、返済期間をもとの住宅ローンよりも短くしてしまった場合に、住宅ローン控除の条件から漏れてしまう可能性があります。
また繰上返済でも、期間短縮を繰り返し、返済期間が10年を切ってしまうと住宅ローン控除が利用出来なくなります。
住宅ローンを遅延する
住宅ローンを借りる場合、人によっては30年、35年と借りる方もいらっしゃいます。そして長期間にわたり、遅れずに支払続けていくことが必要になります。
もし途中で万が一、支払いが厳しくなるようなことが起こったら、遅滞をする前に必ず金融機関で返済条件の変更や借換などの対策を取るようにしましょう。
基本的な考え方ですが、対策を打つのであれば、早ければ早いほど、たくさん手が打てます。逆に遅延する状況まで陥ってしまうと打てる手は一気に少なくなります。
「そんな相談銀行が応じてくれるのか?」と思うかもしれませんが、リーマンショック時の大不況に出来た法律がきっかけで、以前に比べてはるかに相談に乗ってもらえるような下地は出来ています。
逆に遅延を繰り返し、支払いが6か月遅れてしまうと、「期限の利益」の逸失に該当し、金融機関からは残金の一括返済を求められます。こうなると良くて任意売却、最悪のケースでは競売という手段になってしまいます。
住宅ローンを借りる時に綿密な計画やシミュレーションは、言うまでもなく非常に重要です。しかし借りた後も何があるか分かりません。もし何か不測の事態に陥った時に、相談が出来る先を作っておくことも、実は重要なことなのかもしれないですね。
宮田明典
P.S
家は買って終わりではなく、買ってからがスタートです。買う時でなく買った後も頼りになるエージェントは、