オフィスのデスクより、
先日、弊社にご来社いただき、個別相談をされたお客様がいらっしゃいました。
その方は、もともと知人の紹介である不動産会社の担当者を紹介されたそうです。
その担当者は「物件は自分で探してきてくだい」というスタンスだったそうです。
ただ、弊社のようにシステムを使って自動化できるようなものはなく、単純に手作業だったそうです。
そのお客様は仕事をしながら主婦業もこなしており、非常に忙しく時間もなかなか取れない方でした。
それでも、夜遅くまで頑張って物件を探し、いくつか気になるものを送ったそうです。
そこで、この物件はダメ、この物件はOKというように返事をもらい、OKのものを見に行ったそうです。
ただその良い悪いの判断の理由は一切教えてもらえなかったそうです。
結局その方は、最終的にその担当者を信頼できなくなり、色々調べている中で弊社にたどり着いたそうです。
理由をしっかり説明しない裏側
このお客様の相談を受ける中で気になったのが、良い悪いの理由を言わないこと。
話を聞く中で少し疑問に思うところもあったので、尋ねてみました。
「その良いって言われた物件は、リフォーム・リノベーション済み物件ばかりではなかったですか?」
お客様の返事は「その通り」でした。
この返事で私は確信しました。
「この担当者は自分の利益しか考えていないな」と。
顧客よりも自分たちの利益優先な業者たち
どういうことか。
これは両手取引という取引形態が関係しています。
通常の中古物件であれば、売主が個人であることが多く、この個人は仲介業者(元付業者という)に依頼します。
個人が売主の物件は基本的にはリフォームされていないことがほとんどです。
そして個人が売主の物件なら、売主側に業者がいるため、自分がもらえる仲介手数料は買主からもらう分だけです。
これを片手取引(仲介)といいます。
一方でリフォーム済み物件は不動産会社が売主であることがほとんどで、その場合、元付業者(売主側の仲介業者)は基本的に存在しません。
つまりその場合、仲介業者は売主と直接やりとりする形になるので、買主だけでなく、売主からも仲介手数料がもらえる両手取引(仲介)になります。
両手取引になると、仲介業者は一回の取引で売り上げが倍になるのです。
このお客様が紹介された仲介業者の担当者はこの両手取引を狙って物件の良し悪しを伝えていただけなのです。
しかも中には旧耐震の物件も平気で混ざっていて、お客様もかなり迷ったそうです。
旧耐震の物件はいくらリノベーションがしてあって室内が綺麗であっても基本的に買って良い物件ではありません。
これはプロであれば誰でも知っているはずです。
知らなければもっと問題ですが。
つまりこの業者はお客様の利益よりも自社の利益を完全に優先していたのです。
人を真剣に選ばないと失敗リスクが高くなる
業界にいる人間として非常に残念ですが、このようなスタンスの不動産業者はたくさんいます。
このお客様はこの業者から買っていたら、もしかしたら将来後悔することになっていたかもしれません。
いくら知識を身につけたところで、やはり普段から取引をしているプロにはかないません。
そんな情報格差が大きな業界だからこそ、本来はプロの力を借りるべきなのに、プロ選びに失敗したら悲惨です。
プロを見極めるためのポイントは他にもいくつかありますが、今回の話も良い例ですので、ぜひ知っておいていただければと思います。
宮田明典
P.S
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