不動産エージェント業をやっていて、たまにお客様から「何か物件があれば紹介してください」と言われることがあります。
ほとんどの不動産担当者さんは、そこで「分かりました」となることが多いと思うのですが、私は基本的にお断るすることが多いです。
「不動産屋なのに、物件紹介を断るの!?」
なんて声が聞こえてきそうですが、これにはちゃんとした理由と、私なりの仲介業務に対する考え方があります。
今日お伝えするこの理由と考え方は、実際にあなたが不動産担当者とお付き合いをするにあたって、不動産担当者を最大限活用するための指針になるのではないかと考えています。
これから住宅購入をお考えの方は、ぜひ最後までご覧ください。
物件情報は全てネットに掲載されている
まず大前提として、売りに出されている物件は、99.9%がインターネット上に公開されています。
よく非公開物件があると考えている方が多いですが、残念ながらそのような物件は、住宅マーケットにおいてはほとんどありません。
考えてみれば分かることですが、売主からしてみれば物件情報は、より多くの人に届けた方が、早く高く売れます。
そもそも売主からしてみて、非公開にするメリットが全くないのです。
よく巷で言われているような「周りに売却を知られたくない」といった事情はほとんどありません。
あるにはあるかもしれませんが、あったとしても、そのような情報は業者間で取引されます。まず一般の人には紹介されません。
不動産業者だけがアクセスできる「レインズ」に物件が掲載されていないことがあっても、通常の売り物件で、ネットに情報が掲載されず水面下で取引されるようなことは、まずあり得ないのです。
ちなみに、住宅マーケットとは違い、投資物件のマーケットは、非公開の物件を水面下で取引することが好まれます。
物件探しはIT技術で自動化できる
全ての物件情報がネット上に公開されているのであれば、そもそも物件探しは現在のIT技術で自動化できます。
私が運営しているハウスクローバーの会員サイト内でも、条件を保存しておけば、毎日物件情報を届けてくれる機能がついています。
不動産担当者に物件探しを依頼しても、出てくる物件は変わりません。
むしろITで自動化させてしまった方が、早くて正確です。
そしていずれAIが、あなたの好みを判断し、AIが物件情報を紹介してくれるようになります。
ITやAIができることを、わざわざ仲介手数料を支払って不動産担当者に依頼するのって、ナンセンスだと思いませんか?
不動産担当者に期待した方がいいこと
それでは、不動産担当者に何をしてもらった方がいいのか。
それは、プロの視点での物件の見極めです。
私の場合、お客様に物件探しはシステムで自動化していただき、気になる物件があれば、その物件情報を逆に送ってもらいます。
その上で、例えば中古マンションであれば、相場と比較して高くないか、災害リスク、管理組合の財務状況などを。
戸建てであれば、災害リスクやメンテナンス履歴、土地特有のリスクがないかなど、さまざまな視点で見極め、その所見をお客様にお伝えします。
中には、お客様に対して「この物件はやめておいた方がいいですよ」とお伝えすることもあります。
つまり、プロならでは視点を活かし、あなたが気になる物件をプロのフィルターを通してもらう。
この作業は、ITやAI技術があっても、全てをカバーすることはできませんし、物件探しを依頼するよりも、ずっと価値があると思いませんか?
実際に私も、お客様から送られてくる物件情報を見極め、所見をお伝えしていますし、そこにこそ私の価値があると思っています(そもそも物件調査に忙しく、物件の紹介をしている時間がないということもあります)。
だからこそ、ハウスクローバーの不動産エージェント(担当者)には、そのような付加価値が高い業務に集中してほしいからこそ、消費者が自身で、物件探しが自動化できるシステムを搭載しました。
あなたは不動産担当者に、物件探しとプロの視点でのフィルターを通すことの、どちらをやってもらいたいですか?
P.S
ただしこの内容は、相談する不動産担当者の質が良いことが大前提です。
質の悪い担当者にあたって損をしてしまわないように、ハウスクローバーを活用して、全国の優良な担当者の中から、あなたにあった担当者を探しましょう。
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