オフィスのデスクより、
これからの不動産市場は、人口減少や空き家など、問題が山積みです。
しかし今の日本はというと、過去の戦後から続いた新築一辺倒の政策から離れられずにいます。
ここ数年は中古市場にも注力されはじめましたが、それでも政策等をみていると新築に偏った感が否めません。
そんな状況のなか、国土交通省が27年ぶりに不動産ビジョンを月内にも公表すると発表しました。
逆にこれまで27年も何もされていないかったことに驚きを隠せませんが、それは一旦置いといて、内容は以下のようなものになります。
不動産ビジョンで示した主な政策課題
- 既存不動産活用のストック型社会の実現
- 情報基盤充実など安全・安心な取引環境
- 子育て・高齢者世帯が安心できる環境整備
- 外国人向け不動産取引の円滑化や情報提供
- MICE拡充など国際競争力強化
- 不動産取引の電子化など技術革新・効率化
- 2地域居住推進などによる地方創生
- 担い手確保などの円滑な事業継承方策
- 不動産のESG投資推進に向けた環境整備 ※ESGは環境・社会・ガバナンスの略
- 不動産流通など現行制度の妥当性検証
などなどです。
これらは2030年時点での不動産業界の在り方を想定しているそうです。
少し遅きに失した感はありますが、それでもあるべき姿に向かって進んでほしいなというのが正直な感想です。
新築はGDPにとって大きな割合を占めていることから、なかなか止めることが出来ないのだと思われますが、いずれ間違いなくしわ寄せがきます。
そもそも居住誘導区域外といって、将来的に公共サービスが行き届かない可能性があるエリアにまで家が建ち、それを売ってる不動産会社。
誰も買わなければ、そんなところに建てることもなくなるのでしょうが、そんなことを知らずに買ってしまう消費者。
昔ながらの情報格差が残っていて、それを利用して商売をする不動産業界。
そしてそんな不動産業界から豊富な政治資金をうけとり、なあなあな政策を続ける政治家。
平成は、そんな本来あるべき姿でないところに推し進められてしまった感があります。
これから令和という新しい時代を迎えますが、本来あるべき方向に進んでいってほしいなと思います。
あとは、不動産業界の高齢化や世代交代も政策課題に挙げられていました。
コンビニの数より多いと言われている不動産会社。
あと10年もすれば随分数も減っていそうな気がします。
旧態依然とした不動産業界ですが、変わるのを待っていてもしょうがないです。
中にいる人が変えていかなきゃいけないですよね。
宮田明典