時事・知識・マインド

知っておくと便利!謄本の見方

2020年10月5日

宮田明典(ハウスクローバー株式会社)

宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー。
ハウスクローバー株式会社の創業者兼CEO。
また同時に業界歴15年以上の現役不動産エージェント。
相談は全国から毎年300組以上、実際の売買もサポートするエキスパート。
多くの人から受ける相談内容と不動産業界の現状にギャップを感じ、住宅購入に必要なサービスと優良な不動産エージェントのネットワークを構築したプラットフォーム「HOUSECLOUVER」を企画運営。 自身が情報を発信しているYoutubeやブログは多くの住宅購入者にとって欠かせないバイブルとなっている。

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オフィスのデスクより、

不動産の歴史は、登記簿謄本を見ることで分かると言われています。

ただ住宅を探す中で、謄本などを資料としてもらうことも少なく、重要事項説明書の説明をうける時に、初めて見るという方も多いと思います。

プロである私たちにとっては調査の上でも重要になる書類ですが、今日は謄本の見方についてお伝えしたいと思います。

謄本は3部構成になっている

まず大雑把に謄本を見ると3つの項目に分かれます。その項目は

  1. 表題部
  2. 権利部(甲区)
  3. 権利部(乙区)

それぞれについて実際の謄本を見ながら説明していきます。

表題部にはその物件の情報が表示されている

この謄本はマンションの謄本になります。表題部が2つありますが、上が建物全体を表示するもので、下が該当する部屋を表示しています。

マンションが特定できる部分は黒塗りにしてありますが、黒塗りの部分に地番やマンション名、部屋番号などが記入されています。まれにマンション名が無い謄本もあったりします。

上の表題部にはマンション全体の面積などが書いてあり、敷地権がある場合はここに記入されます。敷地権とは土地と建物をセットでないと売買できないようにしする強制力のある権利です。

下の表題部には該当する部屋の情報がのっており、家屋番号と呼ばれるもので区別されます。この家屋番号は謄本を取得する時くらいにしか使えません。部屋番号とは違う番号であることが多いですね。

所有者が分かる権利部(甲区)

次は表題部の下にある権利部(甲区)を見ていきます。

この部分では所有者の情報が分かります。番号が大きくなればなるほど最近のものになります。下線が引かれているものは抹消されているという意味になります。

これを見ると1番と9番が所有権移転と書かれているので、ここに所有者の情報が載っていることが分かります。この物件を購入すれば最終的には12番にあなたの名前が入ることになります。

また権利部(甲区)には差押えなどの登記もされます。この謄本は分かりやすい例としてあえて選びましたが、ここを見ることで、取引の妨げになるような権利が発生していないかどうかを確認しています。

この謄本を見て分かるのは、最終的に一番最初の持ち主は競売にかけられ二番目の所有者に移ったことが分かります。

権利部(乙区)には所有権以外の権利が表示されている

一番下にある権利部(乙区)には所有権以外の権利が表示されています。具体的に言えば銀行から借り入れる時の担保権として、抵当権が設定されます。

住宅ローンを借りればここに銀行からいくらかりたか、銀行はどこか、などが分かります。

この謄本で言えば、前の人が借りていた住宅ローンの情報が載っていますが、今現在は何もないので、住宅ローンやその他金融機関からこの物件を担保に借り入れしていないので、取引には全く問題ないという判断が出来るわけです。

よく売却時に住宅ローンの残債額が問題になるのは、ここに抵当権があるからで、抵当権はお金を貸している銀行の同意が無ければ抹消することは出来ません。

実際の不動産取引の実務では、この抵当権は抹消してからでないと新しい所有者に移すことはしません。なので取引をする時は、残債額よりも売却額が多い時は問題にしませんが、売却しても残債が残る時は、債権者の同意がとれるかどうかは非常に重要な確認事項になったりするわけです。

謄本によっては1枚だけで終わったりするものや、複雑で何ページにわたるものもあったりします。謄本を見ることで、どんな問題が潜んでいるかも分かりますし、その物件の歴史なども分かったりします。

もしあなたも謄本を見る機会があれば、その物件の歴史を紐解いてみてはいかがでしょうか?

宮田明典

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宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー。
ハウスクローバー株式会社の創業者兼CEO。
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多くの人から受ける相談内容と不動産業界の現状にギャップを感じ、住宅購入に必要なサービスと優良な不動産エージェントのネットワークを構築したプラットフォーム「HOUSECLOUVER」を企画運営。 自身が情報を発信しているYoutubeやブログは多くの住宅購入者にとって欠かせないバイブルとなっている。

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