オフィスのデスクより、
※資産価値に興味がない方はこの記事を読まないでください。
もともと仕事柄もあるせいか、私のニュースアプリには不動産系のニュースが良く流れてきます。
その中で最近、資産価値やタワーマンションリスクなどに関する記事をちょくちょく目にします。そしてコメント欄なんかも割とみんながどんなことを書いているのか見ているのですが、最近その中で気になるフレーズがありました。
それは「資産価値は売らなければ確定しない」というもの。つまり資産価値だなんだというけれども、売らなければ得した損したも分からないからいいのではないか。そんな意見を見ることがあります。
たしかに一理ある意見だとは思いますが、果たして本当にその考え方でいいのか、その考え方について今日は私なりの考え方をお伝えしたいと思います。
この記事は動画でもご覧になれます。
⇒ 動画で見る(Youtubeにジャンプします)
資産価値は売らなければ確定しないとは?
資産価値は売らなければ確定しないとは、持っている間は含み益や含み損が発生するかもしれませんが、売らなければその利益(損失)は確定しないという考え方です。
株式なんかを例にとった方がイメージしやすいかもしれませんが、あなたが100万円で買った株式が短期間で50万円に値下がりしてしまったとします。
今売れば50万円の損が確定します。それを仮に売らずにしばらく持ち続ければ、とりあえず50万円の損失は確定させないことになります。
この状態のことを「塩漬け」といいますが、また上がってきたとに売れば損はありませんし、もしかしたら値上りしていたかもしれません。
これは相場の上下を意識した戦略で、余裕資金で塩漬けに出来れば、この戦略もありではないでしょうか。実際にリーマンショック時に下がった株式は今はその当時の価格を超えています。
売らない=先延ばし
資産価値を確定しなければ、というのはあくまで利益(損失)の先延ばしでしかありません。
一般的に需要があって値が付く不動産であっても、相場が悪い時はまた戻ってくるのを待てばいいかもしれません。
しかし売りたくても売れない「負」動産はいくら待ったところで値が戻ることはありません。
また売らないという判断をするのはいいですが、いつか必ず売るタイミングは来ます。老人ホームに入居するタイミングかもしれませんし、もしかしたら相続したご子息が売るかもしれません。
どこかで利益(損失)を確定できればまだマシで、最悪の場合は売りたくても売れないリスクさえあります。
住んでいるときの価値があればいい?
よくこの意見をコメントする人が付け加えているのが、「住んでいるときの価値があればいい」というもの。
たしかにそこに需要があって若い世代が流入していたり、それなりの人口が保たれていれば、そこに集積する商業施設や公共施設などもあって快適に過ごせるかもしれません。
しかし、資産価値のない立地は人口が流出し、公共サービスが行き届かなかくなりますし、大規模災害に見舞われて住むことができなくなってしまうかもしれません。
マンションであっても、管理組合の財務状況に支障をきたして修繕がまわらず、人が流出しゴーストタウン化していく物件もあるかもしれません。
大事なポイントですが、資産価値なくして住んでいるときの快適さの保障はあり得ません、。
ある程度資産価値が保たれると考えられる不動産の中で、どこに住むのか、どんな物件に住むのかは、それこそ住んでいるときの価値で、そこに住む人の価値観であってもいいと思います。
しかし、資産価値は売らなければ確定しないといって、将来需要がなくなりそうなエリアや災害リスクの高い立地に、購入価格が安いからという理由で住み続けることには、正直疑問を感じます。
何かあった時にあなたを助けてくれるもの
最後にもう一点、資産価値を意識したいポイントがあります。それは資産価値とは「何かあった時にあなたを助けてくれるもの」です。
仮に住宅ローンを組んで住宅を購入したものの、病気や不慮の事故があり、そのまま払い続けることができなくなったとき、資産価値がある不動産であれば、住宅を売ることで住宅ローンを返済して生活を立て直すことができます。
しかし資産価値がない住宅であれば、売っても住宅ローンを返しきれません。その場合は任意売却で、最悪の場合は競売です。他にも転勤や老人ホームに入るなど、まとまったお金が必要になることもあるかもしれません。
このように資産価値は何か起こった時にあなたのことを助けてくれるものでもあります。
考え方は人それぞれで、住宅に資産価値を求めない考え方もあるかもしれませんが、それでも私はやはり住宅には資産価値を求めるべきだと考えます。
あなたはどう思いますか?
宮田明典