自宅の書斎より、
新築マンションの契約率は、急速に悪化してきています。
それに対して中古マンションは堅調に販売戸数を増やしています。
もともと日本では新築ニーズが他の先進諸国よりも圧倒的に高かったのですが、今の市場は完全に中古マンションにシフトしています。
新築マンションが売れなくなった理由
新築マンションが売れなくなった理由として一番に考えられるのが、価格の高騰です。
新築マンションの対象地となる都心の土地価格は一貫して上昇を続けています。
そしてそんな高値を嫌がるように、中古マンションに購入層が多く流れています。
そして、もう一つ深刻な理由として、新築マンションで立地がいいと思える物件が、かなり少ないこと。
私の基本的なスタンスとして、マンションであれば駅徒歩7分以内がリセールバリューの観点からもいいとお伝えしていますが、ここ最近の新築マンションは徒歩10分とか平気であります。
マンションに限らず不動産の資産価値の9割は立地で決まると言われているのに、魅力的に感じる立地に新築されるマンションが圧倒的に少ないです。
さらに、駅近の立地はホテルやオフィスビルとも競合しますが、宿泊施設の不足感や、オフィス賃貸に好調さを考えると、この先しばらくは好立地の新築マンションはそこまで多くでてこないような気がします。
新しければいいわけではない
しかも土地価格の高騰に加えて、現在は建築費も高騰しています。
数多く進行している再開発やリニア工事、震災の復興、人手不足が影響して、今の建築費はバブルのころよりも高いと言われています。
そんな中、マンションディベロッパーは価格が上がり過ぎないように、鉄筋の数を減らしたり、部屋を狭くしたり、設備のグレードを落とすなどして価格の上昇を抑えています。
つまり、マンションというのは新しければいいというものではないのです。
むしろ中古マンションの方が質的にも良質なものが多いと思います。
余談ですが、先日大手マンションディベロッパーのマンション事業部の人とお話をしていたのですが、ここ3,4年で部屋の広さは5㎡くらいは平均して狭くなっているそうです。
高くて、立地も良くなくて、部屋も狭くて、質も良くない。
これだけの条件がそろって、今の新築マンションの販売不振に影響しているのではないでしょうか。
マンションは築年数よりも「いつの時代に建てられたか」
よく私も仕事柄、「築〇年のマンションってどうですか?」と聞かれることが多いのですが、マンションに限って言えば、管理次第なので何とも言えないところはあります。
しかし、管理の質が一定だとした場合、築年数よりもいつの時代に建てられたか、だと考えています。
たとえば、今と同じくらい新築マンションが高かったバブル時代ですが、このときは世の中全体が好景気で、高い物件でもバンバン売れていたので、造りもお金がかかっています。
個人的には、2000年から2008年のプチバブルまでの間と、リーマンショックあとの時代のマンションが、質的には一番いいのではないかなと考えています。
建てられた時期による見極めについては以下の記事も参照にしてください。
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あなたも、新築だからとか、昔ながらの価値観にとらわれず、本当にいいものを見分けられるような眼を養えるといいですね。
宮田明典
P.S
なかなか自分で判断するのはハードルが高いと感じるのであれば、そういった眼を持ったエージェントに依頼するの一つの手かもしれませんね。