時事・知識・マインド

古い物件ほど諸費用は高くなる?

2020年4月17日

宮田明典(ハウスクローバー株式会社)

宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー。
ハウスクローバー株式会社の創業者兼CEO。
また同時に業界歴15年以上の現役不動産エージェント。
相談は全国から毎年300組以上、実際の売買もサポートするエキスパート。
多くの人から受ける相談内容と不動産業界の現状にギャップを感じ、住宅購入に必要なサービスと優良な不動産エージェントのネットワークを構築したプラットフォーム「HOUSECLOUVER」を企画運営。 自身が情報を発信しているYoutubeやブログは多くの住宅購入者にとって欠かせないバイブルとなっている。

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オフィスのデスクより、

中古住宅を購入するにあたって諸費用がかかることはご存知かと思いますが、中古住宅の価格でなくモノによって諸費用が高くなったり、安くなったりするのはご存知でしょうか?

よくお客様から諸費用はどれくらい考えておけばいいのか?と聞かれることが多くあります。

一般的には中古マンションであれば、物件価格8%くらい。一戸建てであれば物件価格の10%前後というように説明しています。

なぜ一戸建ての方が高いかというと、火災保険です。火災保険は建物全体にかける戸建ての方が高くなります。

もちろんこれは住宅ローンを利用するというのが前提の場合なのですが、物件によっては同じような立地の同じような広さの物件でも、5%くらい差が開くことがあります。

物件価格の5%なのでかなり大きな差だと思います。

なぜそれほどまでに選ぶ中古住宅によってここまで差がでるのでしょうか?

その答えは税制優遇にあります。

この記事は動画でもご覧になれます。
⇒ 動画で見る(Youtubeにジャンプします)

住宅を購入するうえで、かかる税金

住宅を購入するとこでかかってくる税金がいくつかあります。

まず登記をする時に発生する登録免許税。

そして不動産取得税もかかります。

不動産取得税は、住宅を購入してから3~6か月ほど経ってから請求のくる税金です。

他にも既に売主さんが支払っていた1年分の固定資産税・都市計画税を引渡し日に応じて精算するお金などがあります。

これらの税金にプラスして銀行への手数料・保証料、僕らのような不動産仲介業者への仲介手数料、そして司法書士への報酬などがかかってきます。

物件年数が新しいほど税制優遇が受けやすい

まず登録免許税の計算では、木造であれば20年以内・マンションも含む鉄骨造などであれば25年以内のものは通常よりも安い税率を適用します。

そして不動産取得税は、築年数に応じて評価額から一定の金額を引けるようになっております。

年数が新しければ新しいほど評価額から引ける金額も多くなるので、税金は安くなります。

比較的新しい物件であれば不動産取得税は0円というのも割と普通ことです。

しかし不動産取得税の税制優遇が無い物件では、モノにもよりますが30万円~50万円ほどもかかってくるので、結構差があります。

旧耐震の物件については、税制優遇も受けられないですし、住宅ローン減税も受けられません。

旧耐震でも税制優遇を受けられる物件もある

旧耐震物件でも一部これらの税制優遇や、もちろん住宅ローン控除を使える物件があります。

それは「新耐震基準適合証明書」や「住宅瑕疵保険」などの制度が利用できる物件です。

要は古い物件でも耐震改修などをするなどしていて、一定の品質を満たすものであれば減税も認めましょうというものです。

案外、諸費用の高い安いというところまで注目されることは少ないですが、実は結構差が出るところなんですね。

住宅ローン控除まで考えればその差は2、3百万になることもあります。

バカにならないですよね。

ちなみに、こういったことからも国の方針とか考え方が少し分かるような気がします。

購入する時に売るときのことを考える「リセールバリュー」の考え方で物件を見るのであれば、最低限耐震性を満たした物件のほうがいい気がします。

もちろん安全面でも安心感はありますしね。

あ、そうそう。もう一つありました。火災保険とセットで加入する地震保険も耐震基準によって割引があります。

あなたもちょっと違った視点から物件を見てみてはいかがでしょうか?

宮田明典

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