オフィスのデスクより、
「中古マンションは管理を見て買え」という格言はご存知でしょうか?
マンションの寿命や資産価値というのは管理状態によって大きく変わると言われています。
きちんと修繕が定期的になされたマンションは100年はもつと言われますが、逆に適切な管理がされていないマンションは50年ともちません。
では何をもって管理がいいと判断するのか?を考えてみたいと思います。
プロでも意見が分かれる
実はマンション管理の優劣の見分け方については、プロでも実は意見が分かれるところです。
一昔前よりもマンションの情報開示は良くなってきています。
ただ収集できる情報が多くなったとしても判断の基準は分かれるところです。
例えばマンションの管理の優劣を見る重要な指標の一つに、役員の任期は1年より2年の方がいいという基準があります。
長い方が組合運営に継続性を持たせることが出来るという理由からですが、人によっては2年も役員をやらなければいけないのか、と考えてしまうこともあるわけです。
重視すべきは管理組合の懐事情
僕の場合、マンションの管理のどこを重視するかと聞かれれば、懐事情、つまり財政状況と答えます。
築年数が経てば経つほど修繕にかかるお金もかかるようになってきます。
適切な修繕が出来ているかどうかは、マンションの寿命や資産価値に反映するので、その原資となる懐事情は価値観を排除し、管理を判断する材料になると思っています。
マンションの管理組合も会社と同じように毎年の活動を決算書のように出していきます。そして会社と同じように毎年の損益計算書と貸借対照表が出ています。
損益計算書は単年毎の収支なので、そこまで重視しません。重視すべきは貸借対照表にあたるところです。特に僕が見るのは純資産です。
純資産とは現金などの資産から借入れなどの負債を引いた金額です。この純資産と修繕の履歴や計画を突き合わしていきます。
長期修繕計画を開示するマンションは全体の1割
一昔前よりも情報開示が進んだといっても、長期修繕計画を開示するマンションはいまだに1割ほどです。
開示するマンションはそれだけで評価に値します。
長期修繕計画があれば判断は比較的簡単に出来ますが、開示してくれない、もしくはそもそも存在しない場合はどうするか。
その場合は、現在の懐事情とこれまでの修繕歴(これは開示してもらえます)から、サイクルを計算し、今の純資産が今の状況からして多いのか少ないのかを判断します。
そこで問題が無さそうであれば、大丈夫そうと判断します。
しかし懐事情の悪いマンションも実在していて、実際に営業の現場でも、こういう物件が出てきたときはお客さんに内容を説明して再検討を促すようにしています。
あなたも中古マンションを検討しているのであれば、契約前に懐事情は把握しておくようにしましょうね。
宮田明典
P.S
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宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー。
ハウスクローバー株式会社の創業者兼CEO。
また同時に業界歴15年以上の現役不動産エージェント。
相談は全国から毎年300組以上、実際の売買もサポートするエキスパート。
多くの人から受ける相談内容と不動産業界の現状にギャップを感じ、住宅購入に必要なサービスと優良な不動産エージェントのネットワークを構築したプラットフォーム「HOUSECLOUVER」を企画運営。
自身が情報を発信しているYoutubeやブログは多くの住宅購入者にとって欠かせないバイブルとなっている。
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