新築マンションが一般の家庭に手が出ない水準まで価格があがり、人気に陰りが見えてきていますが、その一方で人気を集めているのが中古マンションです。
立地も新築に比べてよいものが多く、選択肢が多いのも人気の理由だと思います。
ただ一言で中古マンションといって、その幅は広く、建築年が浅いものや、相当年季がはいっているものもあります。
古いマンションで旧耐震基準とよばれる時代のマンションがありますが、結論から言えば基本的にはおススメしません。
この記事では、旧耐震基準の中古マンションをおススメしない理由と、例外的な物件についてお伝えします。
こちらの記事は動画でもご覧になれます。
⇒ 動画で見る(Youtubeにジャンプします)
旧耐震基準の中古マンションをおススメしない理由
まずは旧耐震基準の中古マンションをおススメしない理由についてお伝えします。、
そもそもの安全性に不安がある
そもそも耐震基準とは、震災があって、より強い基準の必要性があって改正されてきています。
いくらマンションという丈夫な建物であっても、これまでの耐震基準では不安が残るということで改正されてできたのが新耐震基準です。
つまり、旧耐震基準の中古マンションはそもそもの安全性に不安を抱えているということです。
ちなみに、耐震基準の改正は1981年6月に行われていて、それ以前を旧耐震と呼んでおります。耐震基準はこの時以降、マンションでは変わっていないので、1981年以降に建築確認を受けた中古マンションは、現在の耐震基準に即したものになります。
金融機関の融資姿勢
そしてもう一つの視点が、金融機関の融資姿勢です。
投資向けなどの事業用ローンでは旧耐震基準にお金を出す銀行はかなり限られてきますし、住宅ローンであっても年々旧耐震基準の物件にお金を貸す銀行は減ってきている傾向にあります。
つまり、不動産は銀行がお金を貸してくれなければ買うことはできませんので、資産価値にとってもマイナス影響です。
このように安全面・資産面の点から、基本的にはいくら立地がよくても、リノベーションがしてあって室内がキレイであっても、旧耐震基準の中古マンションをおススメしていません。
例外的に買ってもいいかなと思える旧耐震基準の中古マンション
ただし、すべてが一律でダメというわけではなく、例外的な中古マンションもあります。ここからはそんな例外と呼ばれるケースについて説明していきます。
耐震改修工事がしてある or 現行の耐震基準を満たしている
色んな中古マンションを調査している中で、中にはこれだったら買ってもいいかなというマンションがあります。
その一つに、耐震診断をして現行の耐震基準を満たしていると認定された中古マンション、もしくは現行の耐震基準まで耐震改修工事をしてある中古マンションです。
こういった中古マンションであれば、住宅ローン減税などの税制優遇の対象にもなりますし、金融機関も新耐震基準以降の中古マンションと同じような扱いをしてくれるところがほとんどです。
もちろん安全性についても言うまでもありません。
管理組合が解体や建て替えまで計画している
ここまでの中古マンションは本当に稀ですが、管理組合の調査をする中で、将来の解体や建て替えが考慮された計画を持っているマンションがあります。
具体的には、将来解体する時の費用を通常の修繕積立金と別建てで積立てていて、将来の解体費用に回す予定でいます。
この後については、場所がいいマンションにしかできない方法ではあるのですが、もう一度マンションを建築します。
いい場所であれば、より大きなマンションを建てることができる場合が多く、余った部屋を一般に販売して、そのお金を管理組合の収入にし、もともと住んでいた人たちは非常に安い価格で、新しいマンションに住み替えることができるという算段です。
私自身も滅多に出会うことはなく、出会ったときは非常に興奮します(笑)。
正直これらの条件を満たすケースはそこまで多くはないため、基本的には旧耐震基準の中古マンションは買わない方がいいと覚えておいた方がいいと思います。
逆に立地がいいから、リノベーションがしてあるからと、旧耐震基準の中古マンションを紹介してくるような不動産業者は知識が乏しいか、売ることが目的の不動産会社です。
甘い言葉に惑わされないようにしてくださいね。
宮田明典