物件選び

「負け組」マンションを購入してしまわないために・・・

2019年5月20日

宮田明典(ハウスクローバー株式会社)

宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー。
ハウスクローバー株式会社の創業者兼CEO。
また同時に業界歴15年以上の現役不動産エージェント。
相談は全国から毎年300組以上、実際の売買もサポートするエキスパート。
多くの人から受ける相談内容と不動産業界の現状にギャップを感じ、住宅購入に必要なサービスと優良な不動産エージェントのネットワークを構築したプラットフォーム「HOUSECLOUVER」を企画運営。 自身が情報を発信しているYoutubeやブログは多くの住宅購入者にとって欠かせないバイブルとなっている。

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本山のスタバより、

先日、国土交通省から「平成30年度マンション総合調査」が発表されました。

このマンション調査が面白いのは、購入者に対する調査ではなく、現所有者や管理組合に対する調査であるということです。

購入する立場としては、マンションの現況を理解しておくことは非常に大切なことだと思います。

しかもこの調査はちょうど5年前の平成25年にも実施されているので、その対比をすることで傾向も見ることができます。

またその傾向をしっかり把握することで、マンション探しの色んなヒントを得られると思います。

今回は、これから拡大するであろうマンション格差の中、「負け組」マンションを買ってしまわないためのポイントを、今回の調査の結果を踏まえてお伝えしたいと思います。

調査の結果については、以下の国土交通省の発表資料から抜粋しております。

http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk5_000058.html

マンションの空室割合

健全なマンションの運営に関わってくる「マンションの空室割合」。空室割合が高ければ高いほど、マンションの運営としてはマイナスとなります。

調査の結果がこちらです。

空き室がないと答えた管理組合が5年前の45.7%から47.9%に上昇し、空室率が0~20%のマンションも40.1%から36.1%に低下しています。

つまり全体的に意外にもマンションの空き室は減っているという結果になりました。核家族化によって、世帯数が増えたことが影響しているのかもしれないですね。

ただし注意したいのは、空室率20%超えのマンションが0.8%から1.2%に増えているという結果です。これはマンションの格差が進んでいるということの表れです。

またマンションの建築年が古くなるほど空室率が増えるというデータも出ていました。特に旧耐震の物件の割合が顕著でした。

私は常日頃から旧耐震のマンションは、耐震改修工事がされているなど、よほどの理由が限りお勧めしていませんが、その根拠もデータで見て取れるという結果でした。

永住意識

マンションを買ったらそのまま住み続けるかどうかという調査です。こちらは主に居住者にたいしての調査でしょう。

調査結果をみると、マンションに永住するつもりであると答えた方は、調査開始の昭和55年度以降、一貫して増えています。

これは一昔前は、マンションをいったん購入して、収入があがったら郊外に一戸建てを購入するというのが、かつての住宅のゴールであったことが関係していると思います。

一次はドーナツ化現象と呼ばれて、都心部に住む人がいなくて郊外に居住者が集まっているという現象がありました。今ではそんな現象は逆転して、人は利便性の高い都心に回帰しています。

マンションを選んだ理由という調査項目もあり、この調査の第一位が「駅からの距離や利便性」となっていることから、その傾向が見て取ることができます。

マンションに一生住もうと考えている人が増えているということがデータでも見て取ることができます。

修繕積立金の過不足

修繕積立金の過不足は、そのマンションの運営能力がダイレクトに反映される箇所で、資産価値に直結する非常に大事な項目です。

実際に私も、顧客から物件の問い合わせを受けたときは、修繕積立金の過不足と将来の予測をして、良いか悪いかの判断をしています。

「マンションは管理を見て買え」ということわざがありますが、まさにその通りです。

調査の結果はというと、全体のマンションの実に34.8%が不足していると答えています。そして不明も合わせるとおよそ7割近くに上ります。

実際に私がお客様からお問い合わせをいただいた物件の良し悪しの結果で、感覚的に5割くらいのマンションは「やめた方がいい」と伝えていたのと、ほぼ一致します(軽い自慢です)。

普通の業者さんはここまでの見極めはしない、もしくは出来ないと思うので、あなたの利益やを考え、実際そのスキルや知識も備わっている担当者を選ぶことが重要ということが、このデータからも見て分かるのではないでしょうか。

トラブルの発生状況

マンションは多数の人が住んでいる、言わば共同生活です。そこには守るべきルールがありますが、中にはトラブルが発生しているマンションもあります。

調査結果によると、マンション内で何もトラブルがないと答えているのは、全体の2割強しかなく、多くのマンションが何らかのトラブルを抱えていることが分かります。

とくに一番多いのが、住民のマナーによるトラブル。年々低下しているものの、依然として割合が高いことが見て取れます。

よく勉強会なんかでも、マンション探しの注意点として「共用部をよく見ましょう」というお話をさせていただいておりますが、それは「住民の質」を見るためです。

ちゃんとルールを守る意識があるかどうかなど、注意深く見ることで、トラブルがありそうなマンションかどうかが何となく分かります。

「負け組」マンションを購入してしまわないために・・・

夢のマイホームを購入しても、すべてのマンションで違う結果になってしまうことが少しでもご理解いただけたのではないでしょうか。

特にこれからは世帯数も減り、家余りも目立ってくるので、マンション格差はより一層広がってくるのではないかと予想しています。

そして「負け組」マンションを買わないためには、まずひとつに「管理」をしっかり見る意識をもつこと。立地ももちろん大事ですが、それと同じくらいマンションにおいて管理は重要だと考えています。

そして二つ目は、マンション選びを業者の売上都合ではなく、あなたの視点にたって一緒にふさわしいマンションを探してくれる不動産エージェントの存在です。

物件選びと同じくらい「人」選びは重要です。このポイントをちゃんと押さえておけば、「負け組」マンションを購入してしまうリスクはかなりの割合で下げられると思います。

あなたは「勝ち組」マンションと「負け組」マンションのどっちが欲しいですか?

宮田明典

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