オフィスのデスクより、
昨年の夏休みの時に、久しぶりに親の在所でもある、富山の実家に帰省してきました。
祖父はすでに他界していますが、祖母はまだ健在。もうすぐ100歳です。
近所にも挨拶したりしましたが、田舎だけあってほとんど変わっていません。みんな年を取ったくらいです。
都会にいるとあまり感じない近所とのつながり。
近所のつながりといえば、自治会になりますが、たまに質問を受けることがあります。
そこで今日は自治会について少しお話しします。
そもそも自治会(町内会)って?
そもそも自治会(町内会)とは何ぞや?という根本的なところですが、改めて。自治会については以下のような記述があります。
太古の昔から人は,集団生活を営んできました。それは,孤立して生活するよりも集団でお互いに協力して生活する方が食糧の生産や外敵の防衛にも良かったからで,自然に会得した知恵でした。
そうして至るところで集落ができ,それらが集まって村落となり一つの町や国が出来上がってきましたが,その形成過程のなかにおいて,一般住民は国の形成基盤をなしている住民自治組織を形成し,相互扶助の利点を生かして生活自衛の努力を払ってきました。
明治大正ともなると,経済の拡大,社会問題の激化にともない国策の徹底を図るために行政補助団体として,町内会は行政の末端組織として整備されていきました。
福山市においても,大正6年(1917年)に「福山市協同組合設置準則」が制定され,翌年には市内全域にわたって協同組合(町内会)が設立され全戸加盟が義務づけられた公共事業の賛助組織として位置づけられました。昭和15年(1940年)には,国が発令した「部落会町内会等整備要領」により町内会はいっそう本来の自治集団としての性格は薄められ,もっぱら国策遂行のための政府機関の下部組織として役割を担うこととなりました。 戦後,昭和22年(1947年)5月政令により町内会などの自治組織はすべて解散させられましたが,日々の生活を維持し身の安全を守るためには,身近な人々の相互協力が不可欠であったことや行政としても住民の協力を求めざるを得なかったなどの理由より,厳しい罰則のついた政令下にもかかわらず,解散後3ヶ月以内に8割近くが名目のみを変えて再建されました。
出典:福山市町内会連合会連絡協議会 ホームページより
もともとの起源は集落で暮らしていた古来の生活スタイルによるもので、一旦は法令により解散させられたものの、住民たちの意思によって再建されたそうです。
自治会(町内会)は強制加入?退会はできる?
自治体が地域のつながりということは理解できますが、近所付き合いもあまりなく、地域のつながりが薄くなってきた現代では、あまり自治会(町内会)のメリットを感じなくなってきたのも確かです。
しかも、昔一宮に住んでいたことがあるのですが、役員になってしまって、祭りの打ち合わせなど、かなり時間と労力を使いました。その分地元の人達と関係性が築けるというのもあっていいのかもしれませんが、大変といえば大変です。
しかし、自治会(町内会)自体は強制加入ではありません。そして退会も自由にできます。過去の最高裁の判例でも出ています。
ただマンションなどでは、自治体から管理組合に自治会費が一括請求されて、毎月引き落とされる管理費・修繕積立金に加算されているところが多いので、退会するハードルは少し高いような気がします。
自治会(町内会)は必要か?
ここからは私の考え方なのですが、個人的に自治会(町内会)に加入した方がいいかと聞かれれば、「加入した方がいい」と思います。
確かに役が回ってきたりとか、何に使われているのかよく分からない自治会費とかはありますが、そのエリアに住む以上、人とのつながりは持っておいた方がいいと思います。
特にお子さんがいるケースや、災害時などに人のつながりってすごい大事になると考えています。
人によって考え方はさまざまですが、メリット・デメリットを考えながら判断するようにしてくださいね。
宮田明典