業者選び

不動産営業マンの言うことは鵜呑みにしない方がいい?

2019年4月15日

宮田明典(ハウスクローバー株式会社)

宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー。
ハウスクローバー株式会社の創業者兼CEO。
また同時に業界歴15年以上の現役不動産エージェント。
相談は全国から毎年300組以上、実際の売買もサポートするエキスパート。
多くの人から受ける相談内容と不動産業界の現状にギャップを感じ、住宅購入に必要なサービスと優良な不動産エージェントのネットワークを構築したプラットフォーム「HOUSECLOUVER」を企画運営。 自身が情報を発信しているYoutubeやブログは多くの住宅購入者にとって欠かせないバイブルとなっている。

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オフィスのデスクより、

不動産の営業というとそれだけで身構えてしまう人も多いかもしれません。

「なんか口が上手くて、本当のことを言っているのだろうか?」「この人に任せて大丈夫か?」と思うこともあるかもしれません。

実際、不動産の営業は個人の知識やスキルに差がかなりの程度であります。特に中古住宅の場合は、制度も複雑になり、建築の知識などもあった方がいいなど、業務内容はかなり高度化します。

しかし、顧客としてはどこの不動産仲介業者でも同じ物件が変えてしまうため、担当となる営業によって、結果が大きく変わってしまうことも往々にしてあり得ます。

そこで今回は、営業マンが言うことで、気を付けた方が良いポイントについてお伝えしていきます。

鵜呑みにしてはいけないこと

営業マンが言うことで鵜のみにしない方がいいことについて以下にまとめます。

  • 建物の耐震性
  • 住宅ローン控除の適用可否
  • フラット35の適用の可否
  • 不動産の資産性
  • 各種補助金の利用可否に関する判断
  • インスペクション・瑕疵保険に関する判断

それでは一つ一つ説明していきます。

建物の耐震性

建物の耐震性の判断はあくまで建築士が行うものです。また、一般的に新耐震と呼ばれる1981年以降の建物であっても、木造建築物であれば2000年以降でなければ新耐震基準には適合しません。

1981年以降の建物だからといって、新耐震だから大丈夫というセリフは鵜呑みにしてはいけません。また2000年以降の建築物であっても検査済証が無ければ本当に耐震基準を満たしているかどうかまでは分かりません。

もし「大丈夫」と言い切るなら、その根拠を確認するようにしましょう。

住宅ローン控除の適用可否

住宅ローン控除が使えると聞いていて、いざ購入して確定申告をしようとしたら使えなかった、と言った目に見えるトラブルにつながりやすいのが、この住宅ローン控除に関するもの。

ネットを見ていても、この手のトラブルの相談は結構載っています。そしてこのトラブルが起因するのは、はっきり言って営業マンの知識不足です。

実際に営業をしていて、新耐震基準の建物であれば無条件に利用できると本気で思っている営業マンなんかもいて、いつかトラブルを起こすんじゃないかと、赤の他人ながら心配になることがあります。

フラット35の適用の可否

フラット35が利用できるできないも、割とトラブルになりやすいです。

フラット35を利用するためには、適合証明書を発行できなければ利用できませんが、発行するタイミングは、物件の契約が終わって、ローンの本承認も出ていて、後は銀行との契約と決済のみというタイミングです。

このタイミングでは、ローン特約の期限も過ぎていると思うので、もし使えなかった場合、違約解除になることもあり得ます。

基本的にフラット35の場合は1981年以降の新耐震基準で建築されていれば大丈夫ですが、確認済証などが無い場合は1983年以降でなければいけなくなりますし、戸建のうち木造以外のものは、かなり注意が必要になります。

不動産の資産性

これははっきり言って未来における予測でしかないので、断言すること自体がダメです。

ただ、他の営業マンに言われたことをお客さま経由で聞くことも良くあるのですが、結構適当なこと言っているな~と感じることが多々あります。

営業マンは基本、早く物件を買ってほしいと思っています。特に元付と呼ばれる売主側の業者などは、売主から物件を預かっている手前、より一層その傾向が強くなります。

購入する物件の資産性は、あなたのライフプランニングに大変大きな影響を与えるので、営業マンの言うことを鵜呑みにせずに、ご自身でもその根拠を調べるようにしましょう。

各種補助金の利用可否に対する判断

この辺りになると、かなり複雑になってくるので、根拠もなしに大丈夫です、という人はかなり減ってくると思います。

ただ各種補助金は、黙っていたら何も出ず、こちらから申請しなければ利用できません。

本当は利用出来たのに、知らないために申請が漏れている補助金なんていうのも案外多いのかもしれません。

利用可否の判断は、官公庁に確認すれば良いですが、そのフックとなる知識くらいは欲しいところです。

インスペクション・瑕疵保険に関する判断

これも最終的に判断するのは、専門の業者であり、不動産の営業マンではありません。

「築年数が浅いから大丈夫です。」「業者が買ってリフォームされているから大丈夫です。」なんてことを鵜呑みにしてはいけません。

特に戸建の方がこの傾向が強くなります。実際にやってみると色々と出てくるのがインスペクションです。また瑕疵保険もかなり基準が厳しく、築年数が浅くてもそのままでは加入できないこともあります。

購入者向けの仲介は実はとっても複雑

当社のエージェントサービス「HOUSECLOUVER」は購入者向けに特化してサービスを提供していますが、実は不動産業界では珍しい存在です。

制度もどんどん新しいことが出てきて、建築の知識もある程度必要。それでいて、仲介が簡単な新築は減りつつあり、取り扱い難易度の高い中古住宅の流通量が増えつつあります。

こんな中、不動産仲介業者の中には、「もう客付け(購入者向け仲介)をやらない」と判断するようなところも出てくるかもしれません。

コンビニより多いと言われる不動産仲介業者の中から、最適な営業マンを見つけること自体難易度が高いことかもしれませんが、しっかり基本を知っていればより判断をしやすくなります。

また資産価値についても、考え方を知っていれば営業マンの言うことに左右されず、冷静な判断が出来るようになると思います。

その知識は毎週開催されている勉強会でお伝えしています。ぜひ気になる方はご参加いただければと思います。

宮田明典

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