オフィスのデスクより、
中古マンションの案内をしている中で、たまに大規模修繕工事中のマンションに出会うことがあります。
大規模修繕工事は約12~15年くらいの周期で行われる大規模な改修工事のことで、外壁に足場を組んで養生をかけて、外壁の塗り直しや防水工事をしたりなんかします。
期間も3か月から半年くらいに渡ることが多く、売りに出されてから売れていくまでずっと養生シートに覆われたままということもあります。
そんな大規模修繕工事中の中古マンションを内覧するときに気を付けたいポイントを説明します。
日当たり・眺望が分からない
これは養生シートで、建物全体が覆われてしまっていることが原因です。
明らかに目の前にさえぎるよな建物がない場合は、そこまで心配する必要はないかもしれませんが、低層階だったり、目の前に建物が建っていたりすると、眺望や日当りが確認できないことがあります。
実際に買ってみて、想像と違ったということが無いように注意したいところですね。
引越しの時に制限がある
これはすべての物件に当てはまるわけではないですが、共用部分や足場の組み立てと解体によって、引っ越し作業に影響が出ることがあります。
特に工事作業中で建物にトラックがあまり近づけない場合、追加料金が発生することも考えられます。
その他、窓や外階段から大きな荷物を搬入するときも、外の養生シートが邪魔になって荷物を運びこめない時もあります。
引っ越しをお願するときは、必ず事前に引っ越し先のマンションが大規模修繕工事中であることを伝えるようにしましょう。
既存住宅瑕疵(かし)保険に加入できない
例えば、築25年以上のマンションで、住宅ローン控除を利用したい時の方法として、耐震基準適合証明書の発行を受けるか、既存住宅瑕疵保険に加入するかのふたつの方法があります。
このうち、既存住宅瑕疵保険については、何かあった時の保険機能も備えているので物件の調査があります。
その調査の時に共用部の検査があるのですが、実は養生シートがかかっている状態だと検査が出来ずに不合格になることがあります。
検査の時には、共用部の劣化状況を確認します。大規模修繕工事後には劣化状況も「合格」になるはずでも、工事中というだけで不合格になってしまうのです。
瑕疵保険に加入するためには、引渡し前までに手続きをする必要があるのですが、大規模修繕工事中のマンションでは、加入できない可能性が高いので、この場合は「耐震基準適合証明書」の発行を受けるしか方法はありません。
たまに存在する程度なので、そこまで注意しなくてもいいとは思いますが、もしこれから見に行く中古マンションが大規模修繕工事、もしくは直近で工事に入る計画がある時は、気を付けておくようにしたいですね。
宮田明典