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【Story#01-episode.07】某大手不動産会社とのバトルの行方

CLOVER STORIES

ハウスクローバーの宮田です。

この記事は、私が15年以上、不動産業界で営業をしてきた中で、特に印象に残ったお客様のストーリーをご紹介する「CLOVER STORY(クローバー ストーリー)」の連載記事です(お客様の許諾済みです)。

不定期配信になりますが、ぜひ読み物として楽しんでいただければと思います。ストーリーの中にも、住宅売買の参考になるようなエッセンスを散りばめていきます。

前回のストーリーも、ぜひ合わせてご覧ください。

過去のストーリーはこちらから

登場人物

M様:千葉県の自宅の所有者(現在ICUに入っている)。私に問い合わせをしてくれた方。

M様の奥様

K様:M様の長兄

T様:M様の長女

S様:T様のご主人

前回までのあらすじ

前回のストーリーでは、某大手不動産会社の新築戸建てを、系列の仲介業者に強引な形で契約させられてしまったT様ご夫妻。

私が紹介していた新築戸建てが、売主様との交渉の結果、T様ご夫妻が望む金額となったため、某大手不動産会社の契約は解除をして、私が紹介した物件で話を進めたいとのことに。

そこで、T様のご主人S様が、某不動産会社へ連絡し、契約の解除の申し出を行ったところ、水曜日の19時に事務所に来て欲しいとのこと。

私は、大阪に出張中でしたが、S様だけで行ってもらうのは、かなり不安を感じたため、私もついて行くことに。

そこで、私と某大手不動産会社とのバトルが始まろうとしていたのです。

事前の打ち合わせ

当日19時に、某不動産会社の事務所近くの駅で、T様のご主人S様と待ち合わせをします。

ここに来るまでに、契約までの経緯などを事前打ち合わせで確認していました。

また、私が同行することは、先方には言わないでおくことも打ち合わせしておきました。

私が同行するというと、相手も身構えて、事前に何かしらの対策をされそうで、突然私も同行するというスタイルを取りました。

事前の打ち合わせの中で、私はある「勝ち筋」を見つけていました。

ただ相手がどう出るかわからないので、相手の出方次第では、ケンカをするつもりで事務所にお邪魔することにしました。

某大手不動産会社の支店長と対峙

19時すぎ、S様と事務所に訪問します。

来訪を迎えてくれたのは、T様ご夫妻の担当者でした。

まず私が同行していたことに、驚いた様子。

先方はあくまでS様だけが来る想定で、まさか不動産業者の私が同行しているので、当然です。

席に案内され、そこに支店長が1人で出てきました。

まず私と名刺交換をして、着席するなり、解約の話を先方から始めました。

50万円は放棄で構わない旨は伝えていましたが、先方は「契約を解除することについては、全くこちらとしては問題ありませんが、50万円の手付金だけでなくて、もしかしたら仲介手数料も請求することになるかもしれませんね〜」と太々しい様子で言ってきました。

いわゆる「契約解除による、仲介手数料の請求権」を出してきました。

契約解除による、仲介手数料の請求権とは

少し専門的な内容ですので、詳しく解説します。仲介業者を利用するときは、この内容は必ず絡んでくるものなので、覚えておきましょう。

仲介手数料は、物件の仲介が成立して、売買契約が成立した時に支払請求権が確定します。

つまり、売買契約が発生したら、仲介手数料の支払いが確定するというものです(支払いのタイミングは、契約時とか決済時とか業者によってバラバラです)。

解除には、通常の解除と、白紙撤回の2種類があります。

ローン特約(本審査が本人の責任でなく否決となった場合、白紙撤回ができる買主保護の特約)などは白紙撤回にできる条件の一つで、そもそも契約が無かったことになります。

契約がそもそもなかったことになるので、手付金もそのまま戻ってきますし、仲介手数料の支払もありません。払っていたとしても戻ってきます。

しかし自己都合による解除は、そのような保護的なものはなく、手付金も戻ってこなければ、仲介手数料についても、仲介業者が請求できる法的な権利は残ります。

自己都合による解除は、非常にペネルティが重いので、強引な仲介業者は、とにかく契約を急かしてきます。

一旦売買契約をすると、ペナルティの大きさから、解除そのものを諦めてしまう方も多いからです。今回のS様の場合は、手付金の50万円に加えて、仲介手数料は150万近くになるケースでした。

反撃開始

事務所に訪問する前、私は「相手の出方を見る」と考えてました。

手付金は返ってこないことは、しょうがないとしても、仲介手数料の請求についても、私は想定はしていて「その話を出してくるなら」と、反撃に出ることにしました。

私「それでは、私からもお話があるのですが、そもそもこの契約ですが、無効です。」

相手は、一瞬鳩が豆鉄砲を喰らったような顔つきになります。表情に緊張が走ったように見えました。私はさらに続けます。

私「この契約は、奥様が出張中のご主人に変わって締結したと聞いておりますが、その時の委任状、本人(S様)が書いたものではないですよね?この場合、この契約はどうなりますか?」

支店長はその瞬間、「えっ、、、、」明らかに狼狽した様子になりました。あの時の支店長の顔は、一生忘れないでしょう(S様も後でこの瞬間が一番印象に残ったと話していました)

そして「その場合、契約は無効になります」と返してきました。この瞬間、私たちの勝ちは確定しました。

実は、事前の打ち合わせの中で、この経緯を私は聞いていました。

契約の日は、S様が出張だったため、委任状を奥様のT様に渡すべきだったところ、S様はその委任状を間違えて出張に持っていってしまったとのこと。

そこで、某不動産会社の担当者は、T様にS様の筆跡に似せて委任状を書いてもらい、それで契約の署名を行い売買契約を締結させたのです。

売買契約などの法的行為を行う場合、基本的に代理で契約行為をする人に対して、契約行為の委任状が必須です。

厳密には口頭による依頼でも構わないのですが、不動産取引は価格も高額なので、後々トラブルにならないように、実務においては、委任状は実印で、印鑑証明を添付するくらい慎重に行います。

今回、某不動産会社の担当者は、この法的なルールを破り、委任状をS様でなく、奥様であるT様に書いてもらって、売買契約を締結をさせたのでした。

支店長は「一度、確認してきます」と狼狽しながら言い残し、接客スペースから、事務所の奥にある執務室に入っていきました。

完全勝利

支店長が事務所の奥に入って30分近く待ったでしょうか。ようやく支店長が出てきました。

そして「今回の件は、無効で大丈夫です。仲介手数料の請求もなしで大丈夫ですし、手付金も返却します、、、」とのこと。この瞬間、私たちの完全勝利が確定しました。

相手の出方次第では、私はとことんやるつもりでしたが、流石に今回の内容は重大なコンプライアンス違反です。

相手も上場企業ですので、そこの重大性は流石に支店長も理解したのでしょう。そのあとは、なんとかこの話が表に出ないように色々言い訳をしてきましたが、私は「そちらが引いてもらえるのであれば、それで結構です」と言い残し、S様と事務所を後にしました。

支店長も、「担当者は外出して不在(来訪した時に席に案内してくれたのに)」とか、支離滅裂な様子で、完全敗北の悲壮感が滲み出ていました。

事務所を出た後、S様は私に、とにかく感謝しきりで、すごいです!と、やや興奮気味でした。

今回の話は流石にS様にできないでしょうし、大阪の出張を早めに切り上げて戻ってきた甲斐がありました。

この頃からです。M様のご親族の中で、私がまるで神に崇められるようになっていったのは(笑)。

最後の抵抗を見せようとするも

その後の解除も、また某不動産会社がS様に「一度解除の手続きで説明したいので、事務所に来てもらえないでしょうか?」とLINEで連絡を入れてきたようです。

S様がその旨を私に相談してきた際に、「話のやり取りは、宮田さんに一任するので、宮田さんとお願いします」と伝えていただくようにお願いしました。

すぐに支店長から連絡がかかってきたので、私は「解除の手続きに事務所に出向く必要はなんですか?」と尋ねたところ、会社がどうとか、色々言い訳がましいことを言ってきたので、「手続きは郵送でお願いします。あとS様から聞いていると思いますが、今後何かやり取りで話すことがあれば私に連絡をしてください」と話しました。

支店長は「ものすごいお客様をグリップされているのですね、、、」と、ここで完全白旗を上げました。

おそらく事務所に来てもらって、S様に解除を思いとどまってもらえるよう、あの手この手を用意していたのだろうと思いますが、そんな隙も私は与えませんでした。

その後、郵送で滞りなく手続きも終わり、無事に手付金も戻ってきたとのこと。

本当に不動産業界というところは、お客様よりも業者の利益が優先される、グレーな部分が多い業界です。

さて、しばらく続けてきたお客様のストーリーですが、おそらく次くらいで最終話となるかと思います。最後は、集中治療室に入っていたM様のことなども書いていきたいと思います。

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ハウスクローバー Founder&CEO

宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー。 ハウスクローバー株式会社の創業者兼CEO。 また同時に業界歴15年以上の現役不動産エージェント。 全国から毎年300組以上の相談を受け、実際の売買もサポート。 マンション管理調査において、独自のノウハウとロジックを確立し、失敗しないための住宅購入エキスパートとして多くの指名買いを集める。 実際の業務の中で、多くの人から受ける相談内容と不動産業界の現状にギャップを感じ、住宅購入に必要なサービスと優良な不動産エージェントのネットワークを構築したプラットフォーム「HOUSECLOUVER」を企画運営。 自身が情報を発信しているYoutubeやブログは多くの住宅購入者にとって欠かせないバイブルとなっている。 2012年〜 不動産会社スタイルイノベーション株式会社を名古屋にて設立 2021年〜 ハウスクローバー株式会社を東京都港区にて設立 2023年〜 拠点を東京に移す ▶︎▶︎ このエージェントに相談する ◀︎◀︎

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