この記事は、Youtubeちゃんねるに投稿された、動画を詳しく深掘りする記事になります。今回の解説動画は、「その築20年マンション、20年後も売れますか?」です。
動画を見てから読んでも、この記事を読んでから動画を見ても、どちらでも理解が深まると思います。
築20年マンションの魅力に迫る
比較的よく受ける質問の一つに、「築20年後のマンションは、20年後も売れますか?」というものがあります。この質問は、新築や築浅を探していた人から特に多いように感じます。20年後になったら築40年になるので、不安を感じるのだと思います。
まず結論から言えば、築20年マンションは私の中では、おすすめ度は非常に高いです。オススメの築年数と聞かれれば、一番にこの築年数を上げます。
なぜ、築20年マンションが魅力的なのか。その理由は、以下の3つになります。
- 価格がある程度落ちている
- マンションの質が高い
- 管理組合の精度が高い
一つ一つ、具体的に解説していきますね。
価格がある程度落ちている
マンションは新築から値段を下げていき、ある一定のところで下げ止まると言われています。
こちらのグラフは、レインズの築年数ごとの成約平米単価を抜粋して、グラフ化したものになります。
見ていただくと分かると思いますが、新築から価格を下げていき、大体築30年くらいのところで下げ止まっていることが確認できるかと思います。
ちなみに築25年くらいで下げ止まると言われていたり、そのグラフも出回っていますが、データは2014年頃のもので、築年数が経っているマンションが増えている現状を考えれば、このグラフが実情に合っているのではないかと思います。
そして、マンションの資産価値を語るときは、買った時の価格ではなく、買ったときと売ったときの差で語ります。
この価格差が小さければ小さいほど、その間の住宅支出が安く抑えられ、生活は豊かになります。
この考え方で言えば、「築年数が新しい=資産価値が高い」ではないことが、ご理解いただけると思います(もちろん最終的には物件の個別条件によって変わります)。
逆に、築20年の築マンションは、ある程度下げ止まりに近い築年数なので、資産価値において優位性があると考えています。
マンションの質が高い
築20年と言えば、今この記事を書いている2025年7月時点で、2000年〜2005年くらいに建築されたマンションになります。
他の記事や動画でも言及していますが、マンションのポテンシャルは、築何年という軸で考えるよりも、「いつの時代に建てられてか」という軸で考えた方が、正しく判断ができます。
理由は、マンションの質は、建てられた時代背景、特に経済状況や相場、建築関係の法律などによって変わってくるからです。マンションに関して言えば、決して築年数が新しければ新しい方がいいということにならないことに、注意が必要です。
以下の動画で、建てられた時期ごとの特徴やオススメ度を解説していますので、合わせてご参照ください。
ちなみに2000年〜2005年くらいの時期は、どのような時代背景だったのでしょうか。
簡単にまとめると、以下のような特徴があります。
- 2000年 住宅性能評価制度の導入 – 現代的な工法や設備が普及
- 2001年 ドットコムバブルが崩壊 – 土地価格下落・建築コスト低下
- ファミリー向け3LDKで70〜80㎡超
- 2004〜2005年 マンション市況の底
2000年 住宅性能評価制度の導入
2000年になると建築基準法の改正に合わせて、住宅性能評価制度が導入されます。この時から、一気にマンションの質が向上します。
実際に2000年以降のマンションと、それよりも前のマンションを見比べていただくと、面白いくらい2000年を境にマンションの質が変わっていることが分かります。
制度によるものだけでなく、建築技術も1990年代後半くらいから徐々に普及し始めていたものが、2000年以降になると一気に普及し出します。
例えば、室内に梁がない工法であったり、二重床や二重天井が普及していきます。また設備についても宅配ボックスや、床暖房などもこの頃から普及していきます。
現代的なマンションはこの頃に完成しています。
2001年 ドットコムバブルが崩壊
1990年のバブル崩壊以降、少しずつ経済が持ち直しかけていたのですが、2001年のドットコムバブル崩壊とともに、再び不景気になります。
不景気になると、土地の相場が安くなり、建築費も安くなります。なので、この頃の建物は、それなりのグレードのものを作っても、そこまで高くならなかった時代なので、非常に質の良いマンションが多いです。
これは今の新築や築浅のマンションと大きく違う点で、少しでもコストを抑えるために、部屋を狭くグレードを落としている現在のマンションとは一線を画します。
ちなみに今の新築・築浅マンションでは、二重床・二重天井ではなく、直床・直天井になっている物件も増えていきています。
さらに立地についても、今のようにホテルやオフィスという競合が、積極的に開発をしていなかったこともあり、マンションにとって良い立地が比較的安価に入手できた時代です。
ファミリー向け3LDKで70〜80㎡超
この時代のマンションは、一般的なファミリー向けの3LDKの部屋でも70〜80㎡超えの部屋が一般的でした。
今の新築マンションだと、3LDKで60㎡前半という間取りも普通にありますが、部屋の広さが全く違います。
2004〜2005年 マンション市況の底
ドットコムバブルが終焉し、長い停滞期間を日本は過ごすことになりますが、マンション市況はようやく2004年〜2005年に底を打ちます。
つまり、この頃が非常に安い時期だったことから、それだけ質にお金をかけられたという裏返しでもあります。
この質と間取りの広さなどから、今もまだ価格が落ちることはほどんどなく、むしろ今の基準にすると非常に質が高く、値上がりしているマンションが大半です。
またそれは、将来売るときにとっても、非常に大きなメリットになることでしょう。
築20年マンションはあと何年住める?
築20年のマンションを不安視する方は、20年後に築40年になることを不安に感じている方だと思います。
話を深掘りすると、将来の資産価値や、老後まで住み続けることができないのではないかという不安が大半です。
まずマンションの寿命は、酸性に弱い鉄骨を、アルカリ性で覆っているコンクリートの寿命とされていて、コンクリートは定期的な修繕工事をして延命をすれば、100〜150年持つと言われています。
なので、築20年マンションを購入する方の大半は、住みながら寿命をまっとうすることもできますし、売るにしても、まだ寿命は残っていますので、全然売れるということになります。
ちなみにコンクリートの寿命は、コンクリートの厚みによって変わりますが、この時期のマンションは、比較的コンクリートの厚みもあり、寿命も長いと推測されます。
この寿命についての詳しい解説は、以下の動画をご参照いただくと、より理解が深まると思います。
管理組合の財務調査の精度が高い
そして3つ目のおすすめポイントは、管理組合の財務調査の精度が高いことです。
管理組合の良し悪しは、将来にわたって適切なタイミングで、修繕工事を行なっていける財源が、不足しないかどうかで判断します。
この調査は実績に基づき、将来の予測をしていく調査になりますので、実績が多ければ多いほど、調査の精度が高くなります。特に大規模修繕工事が1度でも終わっているかどうかは、非常に大きなポイントになります。
通常の大規模修繕工事は12〜15年周期で行われますので、築20年であれば少なくとも1回は終わっているはずです。
つまり、調査の精度が高まることから、買ってはいけない物件を選んでしまうリスクを低くすることができます。大きな買い物で、買ってはいけない物件は買いたくないですよね。
ちなみに買ってはいけない物件の割合は、私の実感覚でも、国土交通省の調査結果において、およそ3割の物件が大幅な積立金不足を起こすとされています。
築20年マンションで後悔しやすいポイント
ここまでの解説から、築20年マンションであれば、どの物件でも将来バラ色となりそうですが、やはり不動産という商品の特性上、後悔しやすいポイントもあります。
ここからは、注意すべきポイントについて解説します。
リフォーム価格が高額になりやすい
築20年というと、新築の頃から住んでいた部屋であれば、室内の壁紙やフローリング、そして水回りの設備など、フルリフォームが必要になりやすいタイミングです。
また比較的きれいな状態であったとしても、時代ごとに流行の色などがありますが、2000年代前半は、今の白が基調ではなく、深い茶色などが流行していたため、床や建具の交換をしたいというケースもあります。
なんにせよ、リフォーム箇所が広範囲に及びやすく、また現在はリフォーム価格も高騰しています。ただでさえ、面積も広いことから、リフォーム価格もその分、高くなりやすいです。
資金計画に無理が生じやすい
物件価格自体、質の良さや広さ、立地の良さから、築20年経っていてもそれなりに高いものになりますが、そこにさらにリフォーム代が加わることで、資金計画に無理が生じやすくなります。
リフォーム価格を考慮した物件探しがポイントになります。
また無理のない予算を把握するためには、ライフプランニングシミュレーションを行う以外に方法はありません。
ハウスクローバーに無料会員登録をすることで、ライフプラニングシミュレーションが無料でできるようなシステムが搭載されています。事務局にてプロによる無料サポートもございますので、ぜひご利用ください。
修繕積立金の値上げリスクが高い物件も
マンションの修繕において、最もお金のかかるタイミングが、築30年になります。
築30年は、2回目の大規模修繕工事・エレベーターの更新・機械式駐車場の更新・給排水管の更新工事など、お金が非常にかかる工事が集中するタイミングなのです。
築20年という築年数は、その築30年に近いタイミングでもあることから、購入時は良くても、その後の積立金の値上げリスクが高い物件もあるので、注意が必要です。
物件選びで失敗しないための方法
築20年マンションの購入において、リスクを回避するための方法を、ここからは解説していきます。
リフォーム費用ありきで検討をする
築20年マンションは、もちろん物件にもよりますが、リフォーム価格が高額になりやすいことから、ある程度リフォーム費用ありきで物件を探すと良いでしょう。
具体的には、予算の物件価格から、500〜1,000万円くらいの幅を持たすことです。
例えば、予算が7,000万円だとしたら、6,000〜7,000万円の幅を持たせるようにしましょう。
リフォーム・リノベーション済みであれば7,000万円予算でいいですし、新築時からリフォームがされていない物件などは6,000〜6,500万円くらいまでを目処にすると、リフォーム費用で資金計画が破綻するようなリスクは回避できます。
不動産業者の担当者については、必ず中古マンションの取り扱い実績(特に購入の仲介件数)が多い人にしましょう。
実績が豊富な担当者であれば、リフォーム箇所ごとに概算のリフォーム費用が分かりますので、大きく資金計画が後から狂うことも少ないでしょう。
管理組合の健在性をチェック
管理組合の財務調査は、築20年マンションに限らず、必須項目です。
ただ不動産業者の99%の担当者は、正しく管理組合の財務調査ができないと考えてください。
長期修繕計画書で判断したり、積立金の多い少ない、これまでの定期的な修繕工事の実施の有無、管理会社がどこか、などで判断することはありません。
会社の決算書を読み解くよな専門性とノウハウが求められ、不明点や疑問があれば管理会社にも聞き取り調査をします。
しかるべき担当者やサービスを利用して、確実に調査をするようにしましょう。
ハウスクローバーでは、管理組合の財務調査サービスを提供していますので、こちらのご利用もご検討ください。
ハウスクローバーを活用して、良い中古マンション購入をしよう
ここまで築20年マンションの魅力や注意点を解説してきましたが、いかがでしょうか。
築20年マンションはメリットが非常に多く、またその特性から、将来にわたって資産価値が落ちにくい物件であるとも言えます。
もちろんリスクがないわけではないので、パートナーとなる担当者選びを、しっかり行うようにしましょう。
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