オフィスのデスクより、
マンションの仲介営業をしていてよく思うのが修繕積立金の高い安い。
毎月かかってくるランニングコストでもあるのでもちろん安ければ安い方がいいですが、実情にそぐわない安さなのも管理上問題です。
実際に見ていても、かなりマンションによって幅があります。
先日案内したマンションは旧耐震のマンションでしたが、管理費と修繕積立金はかなり安く感じました。
理由としてはオフィス棟があるので、そこからの賃料収入が得られている。
そして戸数が多いので、全体に対して1件当たりのコストが安くなるスケールメリットが効いている、といった理由があります。
もちろん、こういう事例は割と分かりやすいのですが、そうでないマンションはどうなのでしょうか?
特に築浅のマンションなんかだと、新築分譲時に売れやすくするために分譲時当初の修繕積立金を安く抑える傾向があります。
このような場合、買った後に修繕積立金がドンと上がって家計を圧迫することにもなりかねません。
実際は契約前までに長期修繕計画を取り寄せることである程度予測は出来るのですが、物件をまだ探している段階ではなかなか手に入りにくい資料でもあります。
それでは、何を基準にしてみていけばいいのでしょうか?
実は国土交通省から2013年のものにはなりますが、マンションの修繕積立金に関するガイドラインが発表されています。
https://www.mlit.go.jp/common/001080837.pdf
このガイドラインではマンションの階数による権利区延床面積とその値の平均値、そしてその平均の幅を計算することで、ある程度の目安が分かるというものです。
ちなみに年数は基本的に関係ありません。
あくまで必要な金額を値上げすることなく均等に支払った時の目安が算出されるようになっております。
この計算結果とお目当てのマンションの修繕積立金が安いのか高いのかを比べることで色々と分かります。
計算結果と比べて著しく安い場合は、積立金不足になっているのではないか、先にあげた例みたいな要因があるのか、気を付けるべき点が浮かんできます。
適正かどうか分かるというよりも、気を付けてみる点が分かるという意味ではすごくメリットがあると思います。
この記事の最後には、どなたかが作成した、このガイドラインのロジックを利用した自動計算できるサイトのリンクを貼っておきますので、是非ご活用ください。
ちなみに一般的に修繕積立金が高くなる要因として、
・機械式の駐車場がある
・共用施設が充実している場合
・マンションが複雑な形状をしている場合
・マンションの規模が小さい場合
・海に近いマンションなど立地による影響がある場合
逆に安くなる要因としては、
・共用施設があまりない(エレベーターやオートロック、エントランスなど)
・規模が大きい
・店舗や事務所貸し出しがある(管理費へ回されている場合も多い)
・修繕が少なくて済むような建築材を使用している場合
などが考えられます。
具体的に検討されるのであれば、仲介業者さんに言って長期修繕計画を取り寄せてもらうのが一番いいですが、事前の検討段階でのあくまで目安としてご活用いただければいいのではないかなと思います。
宮田明典
P.S
こちらは文中にもあったガイドラインに基づいた自動計算サイトです。是非ご活用ください。
http://keisan.casio.jp/exec/user/1386972668
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