オフィスのデスクより、
よく案内をしていて、古いマンションに対して「古いマンションって地震ってどうなんですか?」という質問を良く聞きます。
特に人気のエリアにあるヴィンテージマンションと呼ばれるものには旧耐震のマンションなども多いですよね。
名古屋もいつかは来ると言われている地震ですが、マンションの耐震性についてはとても気になるところだと思います。
そこで東日本大震災の時のマンションの被災状況についてのデータがあるので、それを紹介したいと思います。
東日本大震災の時、マンションはどうなったか?
データは社団法人高層住宅管理業協会という主にマンションの管理業者が加入する協会から発表されたデータです。
詳細は一番下のリンクからジャンプできるようにしてあるのでもしお時間があれば見てください。
東北・関東のマンションで調査率は戸のエリアの全物件で棟数換算で80.2%に上るというかなりの数ですので、かなりの信ぴょう性が見て取れると思います。
前提条件として被害状況の表記ですが、以下のようになります。
①大破:致命的な被害(建替えが必要)
②中破:大規模な補強・修繕を要する
③小破:相当な補修(タイル剥がれ・ひび割れ補修)
④軽微:外観上はほとんど損傷なし・又は極めて軽微
⑤被害なし
この5段階で表記します。
まず建物本体被害は、大破が0棟、中破が44棟(0.09%)、小破は1,184棟(2.55%)、軽微・損傷なし45,137棟(97.36%)とのこと。
どんな印象を受けますか?
僕は意外に破損していないんだなという印象を受けました。
新耐震と旧耐震で被害の違いは?
ここで気になる新耐震基準と旧耐震基準の内訳を見ていきます。
実はこの二つの割合の差はほとんどありませんでした。
つまり新耐震と旧耐震で被害を受けた建物の割合は変わらなかったということです。
これに比べて阪神・淡路大震災の時はそれぞれに多少の差は出ていますが、新耐震基準でも大破はしています。
ちなみにマンションの建物本体は杭がかなり深いところまで刺さっているので液状化には強いと言われていますが、データ上でもマンションの液状化に被害は確認されず、その説を証明する形になっています。
逆に集会所や立体駐車場といった付帯設備や外構、受水槽などへのインフラ関係はそれ相応の被害を受けております。
こういったデータを見ていると、特に耐震基準は関係ないのかと言われればそういう訳ではないと思いますし、新耐震基準でも被害を受けているものもあります。
それよりもマンション自体が地震に強いんだなと改めて感じました。
新耐震のマンションでも地震に弱いケース
たた注意しなければならないが点ひとつあるのですが、いくら新耐震基準だからといっても管理状況が悪ければ、耐震性に悪い影響を及ぼすというものがあります。
マンションの耐震性というのは、鉄筋やコンクリートの質で大きく変わります。
もししっかりとした修繕計画がなく、大規模修繕がされていなかったりすると、ひび割れた外気から雨が入むとコンクリートや鉄筋は傷んでしまい耐震性も損なわれてしまいます。
マンションは管理を見て買えとは良くいったものですね。
詳細のデータは以下のリンクにありますので、気になる方は是非見てください。
http://www.kanrikyo.or.jp/news/data/hisaihoukoku20110921.pdf
興味深いデータが見てとれると思いますよ。
宮田明典