時事・知識・マインド

中古住宅を購入する時は瑕疵(かし)保険へ加入を検討してみよう

2020年1月9日

宮田明典(ハウスクローバー株式会社)

宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー。
ハウスクローバー株式会社の創業者兼CEO。
また同時に業界歴15年以上の現役不動産エージェント。
相談は全国から毎年300組以上、実際の売買もサポートするエキスパート。
多くの人から受ける相談内容と不動産業界の現状にギャップを感じ、住宅購入に必要なサービスと優良な不動産エージェントのネットワークを構築したプラットフォーム「HOUSECLOUVER」を企画運営。 自身が情報を発信しているYoutubeやブログは多くの住宅購入者にとって欠かせないバイブルとなっている。

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自宅の書斎より、

中古住宅をお探しの方は、購入時にぜひ検討してみてほしいことがあります。

それは、「既存住宅瑕疵(かし)保険」という制度です。

名前が難しいのであまり馴染みがないかもしれませんが、制度の概要とメリット、そして注意点について説明していきます。

こちらの記事は動画でも見ることができます。

⇒ 動画で見る(Youtubeへジャンプします)

既存住宅瑕疵(かし)保険とは?

瑕疵(かし)という言葉自体があまり馴染みがないと思いますが、これは法律用語で「見えない欠陥」のことを言います。

中古住宅は、目に見えないところに欠陥があることがあり、それに対する保険になります。

本来であれば、見えない欠陥は売主に保証してもらうべきなのですが、実務上の取引では、売主が法人(不動産業者)か個人かによって扱いが変わってきます。

売主が法人(不動産業者)のとき

売主が不動産業者の時は、宅建業法によって瑕疵担保責任の期間は最低2年以上と定められています。

これは弱い立場である消費者を守るための制度です。売主が不動産業者となる中古住宅はリフォーム済みの物件が大半です。

なお新築住宅については品質確保法という法律に基づいて10年の保証が義務付けられています。

売主が個人のとき

売主が個人の時は、法律による定めはなく、当事者同士の話合いになります。

ですから、瑕疵担保責任を負わないとすることもできます。

実務上で一番多いのは3カ月です。やはり中古住宅なので短い瑕疵担保責任期間は不安になることもあります。

そんな不安をカバーするのが「既存住宅瑕疵(かし)保険」という制度です。

加入するとどんないいことがある?

この制度は国が主導しているので、その分いろいろと良いことがあります。

通常木造の中古住宅であれば築20年以内、非木造住宅であれば築25年以内でないと、住宅ローン減税や登録免許税の減税、住宅購入時の贈与の非課税枠などといった税制優遇策を利用することができないのですが、この瑕疵保険の保険証があれば、築年数要件を超えていても、これらの制度を利用することができます。(他にも制度はあります)

その他、売主が不動産業者の場合に限るのですが、瑕疵保険の保険証があると「住まいの給付金」を利用することができます。

加入にあたっての注意点は?

加入にあたっての注意点は、瑕疵保険専用の住宅検査が必要となること、そしてその検査に合格することです。

一般的なインスペクションではダメ

よく住宅検査というと、インスペクション(建物状況調査)のことになるのですが、瑕疵保険に加入するときはインスペクションではなく保険会社の検査を行うことが必要です。

ここを間違えてしまうと二重の手間や費用が発生してしまうので気を付けましょう。

加入のハードルは高め

そして保険になるので、検査の結果、事故が発生しそう(瑕疵がある)と判定されると不合格となり、加入できません。

その場合は、その部分を直して再検査をし、合格しなければいけないので、加入にあたっては実はハードルが高めです。

その他、現行の耐震基準に適合していることや、検査済証が必要になるなどの条件もあります。

ちなみに中古マンションの場合は専有部だけでなく共有部もチェックされます。

瑕疵(かし)の対象は選べる

また保険の対象とする箇所は選ぶことができます。

不動産取引で瑕疵の対象となるのは、構造上主要な部分で付帯設備は対象になりません。

瑕疵保険では対象を選びことができ、基本は雨漏りや建物の傾き、基礎の部分ですが、特約で給排水設備や付帯設備を対象にすることもできます。

保証よりも、制度を利用するための加入であれば、必要最低限の基本補償にしぼって加入するというやり方も実務では結構あったりします。

中古住宅の取り扱いに慣れた不動産業者を選ぼう

中古住宅は個別性が非常につよく、住宅種別の中でも、最も取り扱い難易度が高いとされています。

そのため、購入者向けの中古住宅の仲介の実績や経験・知識が豊富な不動産業者ならびに担当者を選ぶようにしてください。

中古住宅市場では同じ物件をどの不動産業者からでも購入できるようになっていますが、同じ物件でも、購入する不動産業者が変わるだけで結果が変わってしまうのが不動産という商品です。

時にはその差は何百万にも及ぶこともあるので、中古住宅も検討の対象にするのであれば、ぜひその点は注意するようにしてください。

宮田明典

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宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー。
ハウスクローバー株式会社の創業者兼CEO。
また同時に業界歴15年以上の現役不動産エージェント。
相談は全国から毎年300組以上、実際の売買もサポートするエキスパート。
多くの人から受ける相談内容と不動産業界の現状にギャップを感じ、住宅購入に必要なサービスと優良な不動産エージェントのネットワークを構築したプラットフォーム「HOUSECLOUVER」を企画運営。 自身が情報を発信しているYoutubeやブログは多くの住宅購入者にとって欠かせないバイブルとなっている。

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