時事・知識・マインド

管理会社にぼったくられるマンション業界の闇

2020年5月26日

宮田明典(ハウスクローバー株式会社)

宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー。
ハウスクローバー株式会社の創業者兼CEO。
また同時に業界歴15年以上の現役不動産エージェント。
相談は全国から毎年300組以上、実際の売買もサポートするエキスパート。
多くの人から受ける相談内容と不動産業界の現状にギャップを感じ、住宅購入に必要なサービスと優良な不動産エージェントのネットワークを構築したプラットフォーム「HOUSECLOUVER」を企画運営。 自身が情報を発信しているYoutubeやブログは多くの住宅購入者にとって欠かせないバイブルとなっている。

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オフィスのデスクより、

マンションの管理組合の調査をしていて常々感じることがあります。

それは、大規模修繕工事の費用が高い物件が多いということです。

確かに一時に比べれば今は建築費が上がってきているかもしれません。

ただそれを考慮しても、少し高すぎないか?というマンションが散見されます。

まだ工事費の開示があればいい方で、空欄で出してくる管理会社がほとんどです。

ただ数字がなくても、大体の相場は分かるので、この規模のマンションでこれだけ修繕積立金を集めておいて、何で足りないの?なんて疑問を感じずにはいられないマンションも多々あります。

そこで今日は管理会社にぼったくられているマンション業界の闇の部分をご紹介します。

そもそも管理組合とは?

基本的なことですが、一応確認のため。

管理組合とは、マンションの所有者によって組成される組合のことです。

よく管理会社と管理組合を混同されている方もいますが、全く別物です。

管理組合では、基本すべての所有者が所属することになり、部屋を借りている賃貸人は含まれません。

そして理事長とか役員という役回りが定期的に回ってきますが、これはマンションの所有者の代表と、もしくは代表としての役割を担うという意味合いになります。

管理組合と管理会社の関係

そしてこの管理組合が主体となって、マンションの管理業務(清掃など)をしていくことを「自主管理」といいます。

管理業務の一部のみを委託することを「一部委託」、そしてマンションの管理業務をすべて委託することを「全部委託」といいます。

ほとんどのマンションはこの「全部委託」という方式をとっていて、マンションの所有者の代表である組合から委託を受けて、マンションの管理業務を行う。こういう形が管理組合と管理会社の関係です。

全部委託管理の弊害

マンションの管理業務を全部委託する「全部委託」では、管理組合がすることはほとんどありません。

総会も年に1回ほどというところが多く、総会でやることといえば、管理会社の言われるがままに予算を承認したり、支出の承認したり。

そもそも、この総会も出席率も低いマンションも多々あります。

つまり自身のマンションの運営に興味関心がある人が少ないという状況です。

「管理会社に任せてあるから大丈夫だろう」というのが、実は全部委託管理の弊害だったりします。

管理会社の目的は自社が儲かること

そこで冷静に考えたいのが、管理会社も会社で、目的は利益の追求です。

全部委託管理の弊害は、この支出や予算など、お金に関するチェックが働きにくくなることが挙げられます。

管理会社からこれくらいかかりますと言われれば、「ああ、そうか」で終わってしまいます。

しかし、管理会社が出してくる見積もりや請求金額には、施工業者の利益もたっぷり上乗せされていて、さらに管理会社にも決して安くないキックバックが含まれています。

ここで冒頭の話に戻りますが、大規模修繕工事にはある程度の「目安」が存在しており、私がマンションの管理状態を紐解くときに、この目安の数字を使うことが多いです。

もし前回の大規模修繕工事の費用が分かっていれば、それを元に数字を出しますが、その数字が一般的な目安とはかけ離れた価格であることも散見されます。

市場価格の倍くらい払っているマンションもあるくらいで、その差額は管理会社の息のかかった施工業者や、管理会社の懐にキックバックとして流れているだけです。

つまりマンションの所有者が一生懸命貯めた大事な修繕積立金を使った「ぼったくり」行為をしているのです。

あと、たまに管理業務コンサルタントという業者もいますが、この職種においても同じことが言えます。(もちろんすべてではないですが)

管理会社のぼったくりを防ぐためには

このような管理会社によるぼったくりは、いたるところで発生していて、これが無ければ管理状態を「問題なし」と判定するマンションもだいぶ増えるんだろうなと思います。

こういう状態を作らないためには、管理組合がしっかりコスト意識をもつこと。

つまりマンションの所有者、ひとりひとりがもっとマンションの管理に興味を持つことなのです。

自分たちのマンションの管理を管理会社任せにせず、自分たちの目でしっかり監視する。

そんな姿勢が必要なのかもしれません。

ちなみにマンションの管理組合が、マンションの分譲主が系列の管理会社と、実際の管理会社が違っているマンションがありますが、こういうマンションでは、管理組合が自分たちにとってベストな管理会社に選び直していることも多く、実は管理が非常に優良な場合が多いです。

またそういった意味でも自主管理のマンションも管理会社が入っているマンションよりも、よっぽど中身が良いマンションもあります。

もし将来、あなたが購入するマンションで「修繕積立金が足りないかも?」となったとき、管理会社の言われるままに修繕積立金んの値上げや一時金の徴収をするのではなく、そもそも管理会社がぼっているorぼったくった結果として今の状況があるのではないか、見極めるようにしましょう。

宮田明典

P.S

起業家的な視点で言えば、マンション管理組合向けのサービスは色々なことが出来そうな気がします。

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宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー。
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