オフィスのデスクより、
独立行政法人「労働政策研究所」のデータによると、1980年ころには約600万世帯だった共働き世帯は2018年には、倍にあたる1,200万世帯に増えました。そして、約1,100万世帯だった専業主婦世帯は2018年には約半分にあたる600万世帯に激減しました。
将来のデータはこちらから
⇒ 独立行政法人「労働政策研究所」専業主婦世帯と共働き世帯
私の家庭も共働き世帯です。ちなみに実は家内も同業者です。同じ会社ではありません。職種は営業ではなく経理なのでそこまで業界に詳しいわけではありません。ただ取引することはあるので、少し気恥ずかしさはありますね。
そんな私ごとはさておき、最近はライフプランニングをしていても共働き世帯が非常に増えてきています。むしろ専業主婦世帯の方が少ないくらいです。
奥様がパートであることもあるのですが、ともに社員という世帯もあります。ともに社員の世帯の場合、世帯としての年収が高くなるため、購入できる予算も大きくなりがちです。実際夫婦の収入を合算して予算の大きな物件を購入される方も多いそうです。
そんな暮らしが豊かな傾向のある共働き世帯ですが、住宅ローンを借りるときは、ぜひ気を付けていただきたいこともあります。そこで今日は共働き世帯の住宅ローンについてお伝えしていきます。
安全性を考えてライフプランニングをする
共働き世帯の方とお話していると、大きく分けて二つのパターンに分かれます。
ひとつは、世帯収入が高く、その収入に合わせた住宅購入を検討する方。そしてもうひとつは、お子様や将来のことを考えて、出来ればご主人だけの年収で購入できる物件、もしくは奥様が時短勤務やパートとなったとしてもやっていけるくらいの予算でと考える方です。
どちらが正解かはそのご家庭の価値観によるので様々だとは思いますが、ライフプラン的な観点でいけば、後者の方がおススメです。
長い方だと35年ローンになる方もいて、それだけ長い期間、夫婦ふたりそろって今と変わらない収入を今後も得ていくことが出来るか。
ですから、夫婦二人がずっと収入が変わらず働き続けられるという前提でシミュレーションするよりは、どちらかが働けない状況になったとしてもやっているプランニングをしておくことが、家庭のリスク管理上は優れていることになります。
お子さんを持つのか持たないのか
一昔前と違って、今は結婚イコール出産ではありません。価値観も多様化して、いろんな形があります。夫婦だけでお子さんを持たずに仲良くやっている家庭もありますし、本当に家庭それぞれです。
ただ今は考えていなかったとしても、「将来的にはあるかも」と考えるのであれば、住宅ローンが将来の可能性を縛ってしまわないように、奥様の収入が減る前提でプランニングしておいた方が無難です。
私もライフプランニングをするときは、そこは必ず確認するようにしています。もちろん人数によっても変わりますので、何年後くらいにとお考えであればその通りに設計をしていきます。
連帯債務の比率や団体信用生命保険にも注意する
夫婦共働き世帯であれば、互いに収入があるので、連帯債務という借り方であれば、お互いに住宅ローン減税を適用することができます。
ただしこの制度を使う場合も、途中でどちらかの収入が減ってしまうと、結果として存してしまうこともあります。今後のライフプランの設計をすることで、割合なども事前に検討しておいた方がいいでしょう。
また共働き世帯の場合は、ぜひ団体信用生命保険(以下、団信)の内容にも気を付けてください。通常の団信は連帯債務の場合、たとえばご主人の身に不幸が起こった場合、ご主人の持つ分しか保険の対象にはなりません。つまりご主人が負担していた住宅ローンは保険で相殺されますが、奥様の分は残ってしまうのです。
しかし金融機関の中には、どちらかに何かがあった場合、両方の債務が相殺されるタイプのモノもあります。将来のリスクに備えるという意味ではそのような団信のある住宅ローンを選んでみるのも良いのではないかと思います。
共働き世帯には、共働き世帯なりのライフプランの考え方があります。もしあなたも共働き世帯なら、どんな家庭を気づいていきたいのか、そんなところからぜひ考えてみるようにしてくださいね。
宮田明典