出張先のホテルより、
ここ最近のトレンドをみていて思うのが、ますます不動産エージェント(担当者のこと)選びが重要になってきているなと実感しています。
一昔前の新築が中心で、経済も右肩上がりの時であれば、シンプルでした。
しかし、今は中古住宅が新築に変わって住宅市場の中心になりつつあり、経済はむしろ長期にわたり低迷しています。
さらに日本はこれまで先進国が体験したことがないような、人口減少と家余りに向かいあわなければいけません。
そんな状況であっても、不動産会社や消費者はかねてからのスタイルを続けています。
その一方で賢い消費者は、現状の在り方に疑問を感じ、これからの時代はどうやって住宅を購入したらいいのか模索しています。
弊社に問い合わせていただく方は、主にこういった方が多いのですが、その疑問はまさに正しいことで、昭和時代の住宅購入方法はすでに終わっています。
お金の面からこれからの住宅購入を考える
これからは、ただ単に気に入った家を買えばいいというわけではありません。
まずはお金のことについて考える必要があります。
かつては終身雇用が前提で、給与も年齢を重ねれば上がっていく時代もありました。しかし今はそんな時代ではありません。
収入もバブル期は世界でもトップクラスでしたが、その後順位を徐々にさげ、今は世界で16,7位くらいです。
私の子供のころは、塾に行く子は限られていましたが、今ではほとんどの子が通います。つまりお子さんの教育費は上がっています。
また老後の年金もこれから徐々に目減りしていきます。
つまり、今の世代は時間がたてば何とかなる時代ではないので、事前にしっかりとした計画とプラニングが非常に重要になります。
ただ単に売りたいばかりの担当者では、あなたの暮らしがどうなっていくかまでは考えてくれません。
一緒にあなたにとって無理なく支払っていける予算を考えてくれる担当者が必要です。
もしそんな担当者が身近に見つからなければ、プロのファイナンシャルプランナーに依頼するといいと思います。
買ってはいけない「負」動産が増えていく
少子高齢化や家余りが進む日本では、将来売りたくても売れない、コストだけがかかる「負」動産が徐々に増えていきます。
すでに今の段階でもそういった物件は地方を中心に出てきています。
また自治体の計画でも、人を集める地域とそうでない地域の線引きも進んでいます。
この線引きからもれたエリアは、将来自治体の税収が減って、公共サービスの提供に支障が出たときに真っ先に削られるエリアです。
そんなエリアでも、家はありますし、新築もされています。
不動産のプロであればそんなことは知っていますが、その事実を伝えてしまうと家が売れなくなるので、難しい法律用語を並べて誤魔化しています。
あなたの将来のことを考えて、ネガティブな情報もしっかり伝えてくれる担当者が必要です。
制度や税制が複雑化していく
住宅購入には持ち家促進の政策によって様々な制度や税制が用意されています。
しかしここ最近は消費税増税が予定されていますが、税制が非常に複雑化していきています。
また新築だけでなく、中古住宅の流通が増えてきていることから、建築の知識や、自治体による補助金など、制度も複雑化していきています。
不動産のプロだからといってすべての営業マンがこういった制度や税制に通じているわけではなく、むしろ知らない人の方が多いのではないでしょうか?
実際にそういった制度や税制に関するトラブルも頻発しており、あなたも安全で損をしない取引をするために、そういった観点からも担当者を選ぶ必要があります。
かなりハードルが高いかもしれませんが、大きな買い物なので、物件探しと同じくらい「人選び」については、慎重になっていただいた方がいいのではないかと感じます。
宮田明典
P.S