オフィスのデスクより、
不動産は定価というものがあるわけではなく相対取引です。
相対取引とは、売りたい人と買いたい人と取引を行う当事者が価格などを決めていく取引のことです。
つまり双方が同意する価格で取引が成立します。
この取引の積み重ねが「相場」と言われるものです。
買いたいという需要が増えれば価格は上がりますし、売りたいという供給が増えれば価格は下がります。
買う立場としては少しでも安く買いたいと思いますし、逆に売りたい人は少しでも高く売りたいと思います。
少し前置きが長くなってしまいましたが、本当にこういう心理的なせめぎ合いがある中で「掘り出し物」と呼ばれるような物件はあるのでしょうか?
中古マンションの掘り出し物
中古マンションについては、比較できる事例が多くあります。
事例でなくても、同じマンションの別の部屋が売りに出されているケースも多々あります。
そうすると必然的に市場の歪みがあまり出ないため、掘り出し物は必然的に少なくなります。
ただ全くないかというとそういうわけではありません。
売り急ぐ方の事情がある場合もあります。
他にも最近あったケースで、東京の業者が名古屋の物件の売却依頼を受けて売りに出したのですが、名古屋の相場を知らずに値付けを安くしてしまうケース。
業者のあきらかなミスで、売主さんには気の毒だとは思いますが、その物件はすぐに売れてしまいました。
無くは無いですが、非常にレアケースです。
中古戸建ての掘り出し物
中古戸建については、僕個人的には掘り出し物が出やすいと思っています。
また築年数が比較的新しいものよりも古いもののほうが、掘り出し物に出会えやすいです。
何故なら、これまでは木造で言えば20年も経てば資産価値はゼロとして値付けがされていました。
築年数が経っているだけで、ちゃんとメンテナンスされてきた物件は全く問題なく住めますが、築年数から安く見積もられてしまうのです。
今では評価手法が少しずつ変わってきてはいますが、リフォームすれば問題なく住めるような物件がほぼ土地価格で売られていることもあります。
ただしこの場合は目利きが必要になりますので、中古戸建てに強い不動産会社に依頼するようにしましょう。
掘り出し物はレアケースとして考える
このように全く掘り出し物がないわけでは無いですが、あくまで目的は家を購入することで豊かな暮らしを実現することで、安く家を購入することではありません。
探していてたまたま掘出しものに巡り合えたのならそれはラッキーですが、それくらいの気持ちにとどめておくことをお勧めします。
不動産は最初に書きましたが、売る方としては少しでも高く売りたいという気持ちがありますし、なんだかんだで相場に近い価格で取引されていきます。
モノには適正なモノの価格があり、不動産でもそれは変わりません。
僕もよく掘り出し物は無いですか?と聞かれますが、あまり期待しない方がいいですよと答えてます。
目的を間違えないようにしたいですね。
宮田明典