「10年~20年後、日本の住宅は3件に1件が空き家になる」
今年の6月、野村総合研究所(NRI)は、2033年の空家数は約820万戸(2013年)から約2170万戸に倍増し、空家率は13.5%から30.4%に上昇するという推計を発表しました。この中で住宅総数は6063万戸(2013年)から約7130万戸に増えるとのこと。
30%という数字を聞くとそうなのか、くらいの感じですが、およそ3軒に1軒が空家になる計算です。ただこれはあくまで全国平均なので、場所によってかなりの格差が出てくると思います。
例えば人気のあるエリアでは空家率5%で、かたや人気の無いエリアは空家率が85%とか。これはものすごく極端かもしれないけど、一概に極端でもない状況がこれから来るかもしれないということです。
人気のあるエリアでは今後も需要があり、資産価値も保たれたまま(むしろ上昇もあり得る)流通していく。そして人気の無いエリアは今後は需要がなくなり、売りたくても売れない不動産になっていく。
今日は、それぞれのエリアの不動産の価値に大きく影響が出てしまう要因が分かったので、それをシェアしたいと思います。
もちろんですが、将来のことなので、100%当たるわけではありません(笑)。ですが、統計データなどを元にしているので、あなたがこれから家を買おうと思っていて、どこにしようか考えているところであるなら、参考になると思うので、チェックしてみてください。
1.土地の価値を下げる要因:供給過剰
供給過剰とは、欲しいという人に対して、提供する商品が増えすぎてしまう状態。
家というのは需要と供給で成り立っています。人気のエリアの特徴はいくつかあるものの、明らかに人気のなさそうなエリアにやたらと新築がたくさん建っているエリアは危険信号。今後人口は単純に考えれば減りますので、それでも住宅が増えているエリアは考え物です。
2.土地の価値を下げる要因:需要減退
供給の反対の意味で、商品に対してほしいという人が少ない状態のこと。
人口の減少が全国平均の減少率と比べて高いところは危険信号です。ある程度はネットからでも調べられます。
1の問題が住宅が増えすぎている供給の問題だとすれば、こちらは住宅を欲しいと思う需要の問題。この2つのバランスがどうか確認しましょう。
3.土地の価値を下げる要因:自治体の破たん
自治体の破たんといえば、北海道の名張市が有名ですが、破たん後の人口は破たん前と比べて10分の1です。なぜ自治体が破たんとすると人口がここまで減るのでしょうか。
市区町村などの自治体では、家庭と同じように収入があって支出があって、大きな道路や施設を作るときには借金をして。そしてその借金を収入の中から払っていきます。財政破綻とは今ある収入だけでは支出や借入の返済が滞ってしまう状態のことをいいます。
こうなってしまうと支出を減らして収入を増やすしか手はありません。自治体で言えば公共のサービスを抑えて税金を多く取るということになります。実際、名張市では「このままでは生活が出来ない」と多くの苦情が寄せられたそうです。
こうなってしまうと人口は減る一方で、こんな増税増税の自治体に引っ越したいと思う人はよっぽど稀有な存在です。これらもネットで調べるとランキングで載ってたりします。
一度家を購入すると10~20年という期間は決して遠い将来の話ではありません。
是非購入を考えているのであれば一度考えてみてください。
宮田明典
P.S
言いにくいことですが、不動産業者に聞いてももあまり教えてくれるところは少ないと思いますよ。本当に親切なところであれば教えてくれるかもしれませんが、言うと売れなくなるので普通は言いません。特に売主から直接依頼を受けている業者は、売主さんのために売ってあげたいという気持ちでいることもあるため、売主から直接依頼を受けている業者は気を付けたほうがいいかもしれません。
当社では、エージェント制度を採用しているので、そういったリスクはかなり低減できると思います。