オフィスのデスクより、
最近、アパート建築への過剰融資が社会問題になりつつあります。
あなたもそんな記事見たことありませんか?
30年一括借り上げをめぐるトラブルも結構頻発しています。
一括借り上げとはサブリースと呼ばれる管理形態で、管理会社がオーナーから建物を丸ごと一括で借り上げて、毎月決められた金額をオーナーに対して支払います。
そして管理会社は入居者からもらう賃料と管理費の差額が利益ということになります。
しかし30年一括といってもずっと固定されているわけではなく変動します。
問題なのは中身よりも建ててる場所
こういったニュースを見ていると、あたかも一括借り上げ自体が悪のような風潮があります。
確かにオーナーが素人をいいことに、都合よく扱う悪徳業者もいますが、一括借り上げ自体が悪いわけではありません。
一番良くないのは、アパートを建てる場所ではないでしょうか。
あなたももしかしたら見たことがあるかもしれませんが、田んぼの中にポツンと建っているアパート。
こんなところに建てて人なんか入るのか?って場所にあるアパートを僕もよく見かけます。
実は昔僕のいた不動産会社でも同じように投資用の不動産を扱っていたのですが、そこは土地から仕入れてアパートや小振りのマンションを建てて、投資家に土地付きアパートとして販売していました。
ただ仕入れる土地は基本的に駅徒歩10分以内は絶対で、投資商品なので利回りも出さなきゃいけいない。
今思うと非常に全うです。
建ててから10年以上経っていますが、今でもそれなりの入居率を保っています。
しかし今問題になっているのは、建てたところで需要があるのか、というところで建ててしまっているアパートなんですね。
需要がなければ将来的に賃料は先細りになります。
そうなった時に借り入れを返せなくなり生活に窮する方が増えてしまっていますし、これからかなり増えるだろうと言われています。
一括借り上げも中身は真っ赤
僕のいた会社でも個人投資家にアパートを販売した後も一括借り上げを実施していました。
その時にその管理部門の数字も見ていましたが、基本とんとんくらいです。
駅徒歩10分以内のところに建てていてもそんな状況です。
おそらくそんなへんぴな場所に作ったアパートを一括借り上げしている会社なんかは赤字だと思います。
じゃあその赤字をどうするかというと、結局建築の利益から穴埋めするしかないんですよね。
そうすると建築費は必然的に高くなるので、オーナーさんの賃貸経営がより一層苦しくなるという、負のスパイルこそが問題の本質です。
ようやく問題視した金融庁が融資を出している銀行に対して引き締めるように指示しましたが、少し遅かった気がします。
日本の経済の足も引っ張る
日本政府ならびに日銀は、インフレ目標を達成しようとして、マイナス金利の導入をして経済を促進しようとしています。
しかし、実際はこういった相続税逃れのアパート建築が増えることによって、賃料を押し下げるます。
つまり賃料の低下が物価指数を引き下げ、日銀の目標はいつまでたっても達成できません。
自らの政策が原因で、足を引っ張られるという何とも滑稽な状況になっています。
結局のところ、家を買うにしろ、投資用不動産を買うにしろ、大事なのは立地ということです。
あなたも住宅を購入するなら、需要のある立地を選ぶようにしましょうね。
宮田明典