オフィスのデスクより、
ここ最近の案件で、契約が終わって引渡し前の中古マンションがあります。
「売主と会わないこととかあるの?」
これはそのお客様からいただいた質問です。
実はこの案件、最初から最後まで結局売主さんに会うことなく終わりそうなんです。
何となく契約の時や決済引渡しの時なんかは、関係者が一堂に集まってというイメージがあるかもしれません。
もちろん、本来で行けばそういった形であり、最も多いパターンです。
しかし今回のように一度も会わずに終わるということもレアケースですがあり得ます。
会わずに終わるのはどんなパターンか?
まず一番多いのは、売主さんが遠くに住んでいて帰ってくるのが困難な場合。
特に相続が絡んだ場合などには多く発生します。
次に多いのが、物件の所有者が被成年後見人の認定を受けていたりするケース。
この場合は契約の当事者になることが法律上出来ないので、代理人の方が当事者となって契約を行います。
契約はどうするのか?
それでは場面ごとにどうやって進めていくのか。契約の場合は「持ち回り」と呼ばれる手法を使います。
これは関係者が一堂に集まらず、不動産仲介業者が売主さんと買主さんのそれぞれ別々にあって署名・捺印を行うというものです。
契約のルールでは、一堂に集まらなければいけないといいうものはなく、買主さんが事前に重要事項の説明を受け署名捺印をしていれば別々の場所でもなんら問題はありません。
売主さんが遠方にいる場合は郵送でやり取りすることもあります。
買主さんに対しては重要事項の説明があるので郵送というのはまずあり得ないですが。
契約日は一般的には買主さんが署名捺印をした日を記入することがほとんどです。
決済・引渡しの時は?
それでは一番最後の時の決済引渡しの時はどうするのでしょうか。
契約は別々の場所で行っても、決済の時は来るという人も多いですが、来れないというケースもあります。
その場合は事前に司法書士の先生に動いてもらいます。
司法書士がすべての書類に事前に署名印鑑をもらっておいて、本来なら当日に預かる必要書類を事前に預かっておけば事足ります。
ただし、会って本人確認をしなければいけないので、遠方にいようとも司法書士の先生は会いに行かなければいけないです。そこは少し大変ですよね。
ちなみにほとんど今まで無いですが、買主さんが不在でも司法書士の先生に事前に動いてもらう事で不在のまま決済することも可能です。
いかがでしょうか?
顔が見えないということが心配な方もいらっしゃるかもしれませんが、間に入る不動産仲介業者が窓口になるので、ほとんど不便な思いをすることは無いと思います。
あなたももしかしたら、住宅を購入する時、こういったケースに遭遇するかもしれませんね。
宮田明典