オフィスのデスクより、
先日、東京で中古住宅の取引量が新築の取引量を上回ったというニュースがありました。東京では新築のマンションが値段が上がり過ぎてしまって、一般の消費者が手が届かない価格になっています。
その結果、相対的に安い中古住宅を購入するという流れのようです。そして今はその需要に反応し、中古住宅の値段が上がっているようです。
ここ愛知県では、東京と少し市場性が違うので、そのまま鵜呑みにするのはどうかと思いますが、実際のところはどうなのでしょうか?直近の取引のデータを見ながら紐解いていきたいと思います。
中古マンション
(出典:公益社団法人 中部圏不動産流通機構 中部圏市場動向より)
まず中古マンションの成約件数ですが、昨年の1月と比べてほとんど変わりません。そして平均の平米単価も過去一年間でそれほど大きく変わっていません。これを見る限りだと、愛知県の中古マンションはほぼ横ばいです。
しかし在庫を見ると、昨年の1月時点と比べて400件ほど増加しています。そして平均の平米単価も1.5万円ほど上昇しています。平米単価だと分かりにくいですが、74㎡の平均的な広さで見ると100万円くらいの差です。
この二つを見る限り、現状は需要よりも供給のほうが多い状態とも言えます。こういう時は、どちらかというと買い手市場なので、これから購入を検討している方にとっては良い状況かもしれません。
中古戸建て
中古戸建の成約件数も、昨年の1月と比べてそこまで変わっていません。むしろ微減しています。平均価格も150万円ほど下がっています。
在庫件数は100件ほど増え、価格は30万円ほど上がっています。ただ戸建の場合は、マンションと違い立地や広さにかなりばらつきが出るので、参考程度に。しかしながら中古戸建ても中古マンションと同じように買い手市場の傾向にあります。
東京圏とは市場状況は違う
このように中古住宅の取引数が増え、価格も上昇している東京圏に比べると、比較的愛知県は横ばいな感じがします。ニュースで見るのは、ほとんどが東京圏の話であるため、愛知県や名古屋市ではどうなのか、という視点を持つといいかもしれないですね。
実際の感覚としても、動きはありますが流通物件は増えているなと感じます。むしろ販売物件が増えているというのは、選択肢が増えることになるので、買い手にとっては良い状況なのではないでしょうか。逆に売り手にとっては、状況を見極めながら戦略を立てることが重要になりそうです。
以上が、最新のデータから読み解く市況分析です。あなたの住宅探しの参考にしていただければと思います。
宮田明典