オフィスのデスクより、
昨日に引き続き、路線価ネタです。
路線価や公示価格、固定資産税評価額のそれぞれの意味と違いについてご説明しました。
今日はその推移から見えてきたトレンドについて、数字を追っていくと何が見えてくるのか、プロの目で考察してみたいと思います。
名古屋は上昇、岐阜と三重は下落
まず愛知県は2014年から3年連続で上昇しています。
しかしながら、近隣の岐阜県や三重県は1992年をピークに下がり続けてます。
愛知県、特に名古屋市が東海圏で一強となる傾向は今後も続いていくと思います。
以前から僕は不動産も格差が広がっていくと言っていますが、その傾向が数字でも見て取れます。
名古屋駅前の上昇は一服
名古屋市の中でも特に名古屋駅前はこれまで2ケタ成長を続けてきましたが、今年は4.8%と再開発が一区切りしたこともあり、一服感が出ました。
リニア開通が決まり、再開発とともにうなぎ上りだった地価も一旦はひと段落と言ったところでしょうか。
ちなみに名古屋駅前の公示価格は高いところで、なんと坪1,300万円ほどと言われています。
またリニアの建設や、名鉄ビルの再開発が進むと、また一層上がる局面がきそうですね。
周辺都市部は上昇率がアップ
名古屋駅の上昇率が一服したのとは対称的に、高い上昇率を記録したのが金山エリアと伏見エリアです。
特に金山は2010年からずっと上昇しておりますが、昨年の伸び率は20%超えと高い伸び率を記録しました。
再開発の計画が発表されたことも大きいと思います。
また伏見エリアでは、御園座後や納屋橋沿いにタワーマンションが出来たことも影響していると思います。
ちなみに東山線で、名古屋の次は伏見になりますが、実はその間に駅のプラットフォームが存在するのをご存知ですか?
それがちょうど納屋橋のところで、地上につなげればいつでも駅として利用できるようになります。
知っている人は知っていますが、人が増えることによって駅が開通するという期待感も手伝っているかもしれません。
名古屋駅の上昇が周辺へ波及
このデータを見ていて、これまで名古屋駅前に集中していた価格上昇の波が、徐々に周辺の都市部に波及しているという印象を受けます。
栄や丸の内も地点によっては10%以上の伸び率を記録しています。
他の都市近郊の住宅街もそれにつられて平均して5%ほど伸びてきています。
名古屋駅前が名古屋市全体の上昇を引っ張っているという見方も出来そうですね。
再開発が進むことで今後も地価上昇は考えられますが、それだけでなく都市として魅力的な街を作っていくことで、そこに暮らす人たちの資産形成につながっていけばいいなと思います。
宮田明典
P.S
路線価や公示価格、固定資産税評価額の意味や違いを書いた昨日の記事は下記のリンクから。