オフィスのデスクより、
ここ最近、不動産に資産価値をはっきりと求める方が増えてきたように思います。
もともと不動産自体が資産ではありましたが、ここでいう資産価値を求めるというのは、今後の不動産が価値があるものとそうでないものに分かれていくということを知った前提でのことです。
弊社には、そういう顧客が多くいらっしゃいますが、よくどんなことに気を付ければいいですかと聞かれます。
そんなときの私の答えは、「立地が9割」です。
資産価値に与える影響とその割合
これは実際、東京カンテイとういう不動産シンクタンクがさまざまなデータをもとに公表したものになります。
それによると、資産価値に当たる影響とその割合は以下のようになります。
- 広域の立地:60%
- 狭域の立地:30%
- 設備など:5%
- その他の個別性:5%
広域の立地とは、どこの街に住むのかという広い意味での立地です。これからは破綻する自治体も増えてくるので、特に重要なポイントです。
狭域の立地とは、駅からの距離や周辺の環境です。
多くの人が気にするような設備や、角部屋や眺望といった個別性などは両方あわせても1割しかありません。
つまり、9割が立地なのです。
資産価値は積み上げ式
それでは先ほどのデータをどうやって見ていけばいいのかというと、積み上げ式で見ていきます。
積み上げ式というのは、1⇒2⇒3⇒4と積み上げていくことです。
1の広域の立地が0点であれば、その他がどれだけ良くても、その不動産の資産価値は0です。
逆に、住む街やエリアを間違えなければ、最低限の資産価値は保たれるということになります。
それくらい不動産は立地がすべてなのです。
マンションの管理状態は将来の資産価値
そして私がよく気にしている、マンションの資産価値は今すぐに影響するというものよりは、将来に影響してくる資産価値です。
現時点で管理状態に問題が出ているマンションなどは問題外として、将来半数近くが修繕積立金の不足から管理や資産価値の保全に支障が出てくると予想されます。
人口は減って、確実に家は余りますから、良いものは価値を保ちますが、そうでないものは価値を落とします。
資産価値がある勝ち組とされた中で、さらに勝ち組と負け組に分かれるイメージです。もちろん資産価値がない不動産はそもそも負けです。
不動産は一度所有すると、基本的には長期保有が前提となります。
考えすぎなんじゃないのと思われるくらい将来のことを考えて、それでちょうどいいくらいです。
不動産の資産価値を気にする人が増えてきているということは、それだけこういった考え方が浸透してきていると考えることもできるのではないでしょうか。
あなたはどんな住宅を購入したいですか?
宮田明典