オフィスのデスクより、
先日、久しぶりに瑞穂区の中古戸建を自社で購入しました。
最近ではほとんど売買仲介がメインですが、気に入るものがあれば今でもこうしてたまに買います。
うちの会社の基本的な方針は場所重視です。今回も内外装ともに、フルリノベーションします。
ちょうど内容の打合せも終わり、お盆前くらいにはお披露目できると思います。
今回に限らずリノベーションをする時、躯体だけはしっかりしていて、中を自由に替えられたら楽なのにと感じることが多くあります。
スケルトン・インフィルとは?
僕が言う、躯体(スケルトン)と中身(インフィル)を別々に考える設計を「スケルトン・インフィル」といいます。
新築の注文住宅やリノベーションを考えている人は聞いたことがあるかもしれません。
あなたは聞いたことがありましたか?
これまでの日本の建物には、こういった発想は無く、建物と内装は一体として考えられてきました。
しかし、ライフプランや家族構成も多様化し、中古住宅の流通が本格化すると、外と中を分けた方が良いという考え方に辿り着きます。
建物と中身が分かれていれば、家族の人数や、売買のたびに間取りを比較的簡単にリノベーションするということが出来るようになります。
また建物の寿命は、内装の寿命の倍以上と言われています。この点からも「スケルトン・インフィル」の重要性が見て取れます。
スケルトン・インフィルのメリット
1.内装を簡単に変更できる
お子さんの人数や、親の介護など、ライフステージによって簡単に内装が変更出来るようになります。
スケルトン・インフィルでは、簡単にスケルトンにすることが出来て、新しく内装を作り直すことが可能になります。
2.メンテナンス性
スケルトン・インフィルでは給排水管などが、建物と分かれているので、交換などメンテナンスも楽です。
3.建物の長寿命化
もともと寿命の長い建物と、比較的寿命の短い内装や設備を分けることで、建物が長寿命化します。
長寿命化で、本来なら建物ごと建直していたところを、内装をリノベーションすれば、単純に倍の期間利用が出来、全体的な住宅コストが下がります。
スケルトン・インフィルのデメリット
建築コスト
スケルトン・インフィルでは長期で利用することが前提となるので、建物の部分の建築コストが高くなります。
トータルでは安くなるのですが、建てる時に高くなるイメージです。
欧米ではスケルトン・インフィルは一般的ですが、日本ではまだまだこれからだと思います。
丈夫なスケルトン(建物)を作り、インフィル(内装)を自由に変化させていく考え方は、住宅コストも下がりますし、きちんとメンテナンスをすれば100年以上住めると言われています。
欧米の中古住宅の流通量や建物寿命が長いのは、実はこのスケルトン・インフィルに秘密があったのです。
冒頭の物件ではスケルトン・インフィルまでは予算の関係上できませんが、こういった物件が増えればより魅力的な中古住宅が増えてくるのではないかと期待しています。
宮田明典