オフィスのデスクより、
昨年の末に書いた記事で「なぜどの不動産業者も同じ物件を紹介できると言うの?」についての質問がありました。
その質問ですが、レインズにはそれほど情報は無いと聞いたことがあるのですが、実際はどうなのでしょうか?というものです。
今回はレインズについて、もう少し深堀していきたいと思います。
レインズに載せなきゃいけないケースとそうでないケース
まず不動産仲介業者が売主から売物件を預かる時の契約形態は以下の3種類あります。
①専属専任媒介
不動産仲介業者は依頼をした一社のみ。また売主自身で買主を探すことも不可。縛りが厳しい分、報告義務の頻度も高い
②専任媒介
不動産仲介業者は依頼をした一社のみ。しかし売主自身で買主を探すことは可能。専属専任媒介に比べ、報告義務は少し緩い
③一般媒介
不動産仲介業者に何社でも依頼できる。もちろん売主自身で買主を探すことも可能。報告義務はない。
これらのうち、①と②は法律上レインズに載せなければいけないとされています。そして③についてはレインズに掲載義務はありません。
③の一般媒介契約を選ぶ人の理由として、色んな業者に任せて早く売りたいというケースや、あまり売りに出しているのを大っぴらにしたくないからあえてレイズンに載せなくて済む一般媒介を選ぶというケース。
前者の場合は、例えばAという業者が載せなくてもBという業者が載せるので、結局A業者も載せるという現象が起こるので、基本レインズにはのります。
後者は割とレアケースですが、レインズは一般には公開されないので、販売を急ぐならレインズに載せる方が早く売れるので、この場合もレインズに掲載することが多いと思います。
中古住宅はほとんどレインズに載っている
そして表に出ずに売買されるケースというのも確かにあることはあります。
しかし、そういった物件は一般顧客に流れることはほとんどなく、買取業者に流れます。
僕も買取をやっているので、そこは良く分かります。
こういった物件が俗に言う世に出回らない物件と言われています。
ただ最近はインターネットにより情報がオープンになりつつあるせいか、こういうケースは一昔前に比べると減ってきています。
買取業者の動向を見ていても、世に出ない物件を買うよりも、情報としては出ているものを最近は購入しています。
僕の実感的なところもあるので、どこまで正確かは分かりませんが、9割5分くらいはレインズに掲載されていると見ています。
それくらい中古住宅市場はレインズの利用が浸透しています。
つまり中古住宅はほとんどレインズに載っていると思います。載っていない物件も多いというのは、少し前の時代かと思います。
物件の種類や形態によってはレインズに載っていないことも
ちなみに新築の場合は、100%そうではありません。
売主が不動産業者の場合は、レインズに掲載しなくてもいいことになっています。
仲介業者を使う業者は載せることが多いですが、自社で販売する営業マンを抱えているところは載せていなかったりします。
他にも収益一棟ビルなどはほとんど載っていません。
よく大家さんが管理業務のため不動産業の免許を取得してこのレインズを見てあまりの情報の無さにがっかりされています。
あとは賃貸は売買と違い、媒介契約があって無いようなもので、レインズを使っている業者はほとんどいません。
賃貸は売買と違い、どこの不動産仲介業でも同じ物件を紹介できますというのはありません。
考えてみれば変な感じがしますが、とりあえずそういうもんなんだと理解していただければ大丈夫です。
最後にネットとかで調べればあるように地場の仲介業者ならまだ出ていない情報を持っているときは、ごくまれにあったりしますが、基本的にはほとんどレインズに載っていると考えて問題ないと思います。
レインズに載っているのは売れ残りなんて記事を見たこともありますが、載っていても早く売れていくものは売れていきます。
だから安心して、どこから買うかをじっくり検討していただければと思います。
宮田明典
P.S
当社が無料で提供しているセルフインスペクションWebアプリ「Selfin」の機能の一つに、「物件提案ロボ」というものがあります。これは、希望条件を登録しておくとロボットがレインズから毎日条件にあう物件を探して、条件に合う物件が出てきたらお知らせしてくれるという便利な機能です。是非あなたの物件探しのお共にご活用ください。