物件選び

築年数15年の中古マンション、15年後はいくらになっている?

2020年5月22日

宮田明典(ハウスクローバー株式会社)

宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー。
ハウスクローバー株式会社の創業者兼CEO。
また同時に業界歴15年以上の現役不動産エージェント。
相談は全国から毎年300組以上、実際の売買もサポートするエキスパート。
多くの人から受ける相談内容と不動産業界の現状にギャップを感じ、住宅購入に必要なサービスと優良な不動産エージェントのネットワークを構築したプラットフォーム「HOUSECLOUVER」を企画運営。 自身が情報を発信しているYoutubeやブログは多くの住宅購入者にとって欠かせないバイブルとなっている。

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オフィスのデスクより、

先日、中古マンションを案内したときのお話です。

そのお客様は、15年後くらいに売るつもりで考えているそうで、新築も含め色々と検討していた時に弊社にお問い合わせをいただきました。

いくつかのお部屋をご案内した中で、気に入った部屋がちょうど築15年の中古マンションでした。

そして15年後には築30年になってそんなに資産価値があるか懐疑的でした。

今回のお話は色々な側面で示唆があるので、ぜひあなたにもご紹介します。

マンションの価格が下げ止まるのは20年ころから

マンションの築年数による価格推移は色々データも出ているのですが、おおよそ20年前後で価格が下げ止まり、そのあとの値下がりが緩やかになるといわれています。

どこの都市圏でも、新築の時から価格を落とし、20年くらいから値下がりの幅が緩やかになることが分かると思います。

売った時の資産価値を考えるのであれば、買った時と売った時の価格差になりますので、築15年の中古マンションがさらに15年たっても、価格の下がり幅はあまり大きくなくて済みます。

逆に新築を買って15年たったときは、全期間を通して最も価格の下落率が高く、あまり資産価値を考えた買い物として賢い選択とはいないのではないでしょうか。

他にも築15年~20年くらいの中古マンションがお勧めな理由

それだけではありません。この年代の中古マンションのメリットとして、築年数的に、大規模修繕工事が一度終わっていることです。

大規模修繕工事は大体12~15年周期で行います。大規模修繕工事をしていればその工事にどれくらいかかったか、また終わった後にいくら修繕積立金が残っているか。

こういった側面から管理組合の財務状況を読み解くと、かなり高い精度でそのマンションの修繕積立金の予想ができます。

今スグに影響がなくても築年数が経てばたつほど、管理組合に財務状況は資産価値に反映しやすくなります。

ちなみに今回いいなと言っていたマンションは全く問題のない、むしろ優良な中古マンションでした。

建築された時期で変わるマンションの質

そしてもう一つ、資産価値に影響が大きいと思われるのが、マンションが建てられた時期です。

例えば今の新築マンションは土地価格が高騰し、建築費も高騰しています。その結果、新築マンションの価格が高騰し、ディベロッパーは少しでも一般の方が手が届きやすいようにと、部屋を狭くして、グレードを落とし価格を押さえています。

つまり今の時期は中古マンションとして売りに出されたとき、どうしても競争力が弱くなってしまうのです。それは価格の下落を意味します。

逆に2000年代前半や、2009年~2011年ころまでは、景気も良くなかったため、土地や建築費が安く収まっていた時代なので、部屋が広くグレードも高いものが多いです。

さらに2000年6月に建築基準法が改正されてマンションの気密性が向上していて、宅配ボックスや床暖房などの設備が充実し始めたころです。

こういった中古マンションは競争力があるため、価格を落としにくいと考えられます。

関連記事「建てられた時期で見極めるマンションの特徴

築年数だけで判断するのはナンセンス

ここまでお伝えしてきたように、築年数だけでマンションの価値を判断するのはナンセンスです。

マンションの価値は、立地であったり、ここにあげたようないろんな要素が複雑に絡み合っています。

良いものを安く購入することが、住宅購入で暮らしを豊かにするポイントですので、あなたもぜひ、ここで説明した内容を踏まえて、資産価値のある中古マンションを選ぶようにしてください。

宮田明典

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宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー。
ハウスクローバー株式会社の創業者兼CEO。
また同時に業界歴15年以上の現役不動産エージェント。
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多くの人から受ける相談内容と不動産業界の現状にギャップを感じ、住宅購入に必要なサービスと優良な不動産エージェントのネットワークを構築したプラットフォーム「HOUSECLOUVER」を企画運営。 自身が情報を発信しているYoutubeやブログは多くの住宅購入者にとって欠かせないバイブルとなっている。

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