オフィスのデスクより、
私の仕事は、物件を探すことよりも、お客様が気になった物件を、まず買うに値する物件なのか判断することから始まります。ここのあたりが他の不動産会社とはかなり違うところだと思います。
物件探しについては世間で言われているような「非公開物件」なるものは、ほとんど存在せず(存在したとしても業者間で売買されることが多いので表にはでません)、ネット上にほとんど掲載されています。
私が顧客の代わりに物件を探すよりも、ご自身で探してもらった方が、好みの問題もあるので早いと思いますし、弊社でも「Selfin」という物件をロボットが毎日探してくれる機能も搭載した無料Webアプリを提供しているので、それを利用してもらっています。
昨今はAI(人工知能)と呼ばれるITツールも発達していて、物件探しも自動化できる時代です。Selfinには物件診断機能もついているので、大体の取捨選択をすることも出来ます。
しかし、いくらAIが発達したところで、最後の「本当に買うに値する物件かどうか」はプロの目を通さなければ判断できません。そこに私の価値があると思っています。
前書きが少し長くなってしまいましたが、今日は実際に顧客から物件の問い合わせを受ける中で感じていることをお伝えしていきます。
買うに値する中古マンションは半分くらいしかない
この見出しはなかなかショッキングだと思いますが、本当です。中古マンションは立地やスペックももちろん大事なのですが、管理状態をチェックしないと本当に買っていいマンションかどうかは判別できません。
書類上で読み解く管理状態は、修繕積立金と修繕状況や長期的な計画面になります。ここが良くないマンションは将来的に修繕が進まず、大幅な積立金の値上がりや一時金のリスクがあります。最悪はゴーストマンション化するリスクもあります。
この判別は、管理組合から取り寄せた資料を読み解く技術が必要になります。たぶん一般の方には難しいと思います。実際顧客に見ていただいても「意味が分かりません」と言われることがほとんどです。
ですから、私が顧客に代わってその中古マンションの管理状態を見極めます。そうすると、約半数くらいの確率で「買わない方がいい」「将来的なリスクがある」といった判断になります。
5件くらい気になる物件をいただいて、2件か3件くらいが買っても良さそう、という判断です。思ったより少ないと思いませんか?実際それを裏付けるデータも出ていて、むしろその確信を深めたくらいです。
参考記事:「負け組」マンションを購入してしまわないために・・・
買うに値する新築マンションはもっと少ない
さらに言えば、買うに値する新築マンションは中古マンションよりももっと少ないのが実際のところです。
まずマンションの資産価値に最も影響のある立地そのものが良くない、そして建築費も高騰しているのでモノ自体もあまり良くなかったり部屋が狭かったりと、将来中古マンションとして売り出したときの競争力に疑問を抱く物件が多いと感じます。
また新築マンションは管理状態も見えていないので、立地やスペック面で良かったとしても、1/2の確率で「買うに値しない中古マンション」となってしまうリスクがあるからです。
見えないところにこそ気を遣う
こうやってお話をすると、マンションを購入すること自体に尻込みをしてしまうかもしれませんが、見えないところにもちゃんと気を遣い、買うに値するマンションを選んでいけば問題はありません。
むしろ、時間が経つにつれ買うに値する中古マンションとそうでない中古マンションの資産価値に開きが出てくるのではないかと思いますので、むしろあなたの暮らしの豊かさに貢献してくれると思います。
一生のうち、一番大きな買い物ですので、見えるところばかりでなく、見えないところにこそ気を遣うことで良いマンション購入を実現してください。
宮田明典