ここ最近の住宅のトレンドとして感じるのが、「住宅のファッション化」。
ファッションという定義は色々あるのですが、ここでいうファッションは身にまとう人の個性であったり、他と違った差別化です。
個性的なリノベーションもある意味、ファッションの一部として自己表現の一面もあるのではないでしょうか。
ファッションブランドとのコラボ
今住宅業界では、もともとあったインテリアブランドだけでなく、ファッションブランドやその他ブランドとのコラボレーションも増えています。
ファッションブランドでは「リノベる」と「JOURNAL STANDARD」や、「カルバン・クライン」と「建築家・小川晋一氏」など。
その他ブランドで言えば、「コロンビア」と賃貸の「朝日リビング」やアウトドアの「SNOWPEAK」と「リノベ不動産」など。
もともと家とは関係ないようなブランドが、住宅業界と提携することがここ最近では頻発しています。
これは今まで画一的に提供されてきた日本の住宅業界とは明らかに一線を画すトレンドだと思います。
住宅がファッション化した背景
まず大きな背景として消費者の趣向の変化があると思います。
昔は横並びで同じものを好むと言われていた我が国ですが、最近では自分の個性や自分らしさをアピールする風潮が出てきました。
「みんなと一緒じゃつまらない」。
そんな消費者心理が変化する中、住宅そのものや設備などで差を付けることが難しくなってきました。
そして中古住宅流通が促進され始めた5,6年くらい前から、住宅で個性を出しやすいリノベーションブームが起こり、住宅にこれまでなかった「ファッション」の視点が出てきました。
コラボにはどんな狙いがあるのか?
そこで徐々に増えてきたのが、異業種と住宅のコラボです。
まず一つの背景としては、各社競争が激化する中、家や設備そのもので差別化をすることが難しくなってきたことが挙げられます。
そして家そのものの「ハード」の部分より、暮らしや家具などといった「ソフト」の部分に着目されるようになりました。
ブランドにはそれぞれの奥にある企業理念やコンセプトに共感し、消費者が選ぶという側面があります。
住宅業界にとっては、そこで展開されるイメージがより「見える化」する狙いがあるのではないでしょか。
コラボ企業にとっても、住宅とコラボすることで、新たな消費者ニーズを取りこんだり、商品開発などに活かしたりすることも出来ます。
実際住宅とコラボしていた「無印良品」や「フランフラン」などは住宅事業にも乗り出しています。
このように昨今ではライフスタイルが多様化し、それに合わせて住宅に求めるニーズも少しずつ変化してきています。
これまでは「ハード」として家に求めていたことが、「ソフト」としての「ライフスタイル」を選ぶようになってきているのかもしれません。
「住宅のファッション化」というトレンドはまだまだこれからも続きそうですね。
あなたは住宅にどんな「ライフスタイル」を求めていますか?
宮田明典