この記事は、Youtubeに投稿された動画の背景や、補足情報の解説をする記事です。
今回の記事は「知らないと損!不動産会社選びの新常識!後悔しない5つのチェックリスト」です。
動画を見てからこの記事を読んでもらってもいいですし、逆であっても大丈夫です。この解説記事を読んでいただくことで、動画の背景や文脈がわかり、より理解が深まるかと思います。
不動産業者の存在意義が問われる時代
私は、今の不動産業界は、業者の在り方や存在意義が、改めて問われている時代だと考えています。
かつての日本には、戦後の焼け野原から、見事に復興を果たし、その中で増え続ける人口と経済に合わせるかのように、不足していた住宅事情を解消しようと官民が一体となって動いていた時代がありました。
家が戦争の影響もあり、圧倒的に不足していて、新築をどんどん建てていきました。この頃の考え方は「質より量」です。
また日本の復興に合わせて不動産相場も上昇してき、バブル期でピークを迎えます。その頃には、土地神話なるものが世の中に蔓延っていて、とにかく不動産を買えば何でも資産になると考えられていました。
全ての不動産には価値があるという前提条件が存在していたため、その頃の不動産業界で重視されたのは「物件情報」です。
そしてその物件情報の大元となる売主に不動産業者は群がりました。売主重視・買主軽視はこの頃にできた風潮です。
しかし時代は変わり、かつての経済成長は昔話となり、30年以上、日本は停滞の時期を迎えます。
そして人口は減少に転じ、新築至上主義が色濃く残る市場では、家余りが顕著になってきています。今の時代は、不動産は全てが価値があるわけではなく、買ってはいけない「負」動産が、地方だけでなく、都心部でも多く存在します。
またインターネットの発達により、多くの人はインターネットを通じて、すべての物件情報に簡単にアクセスできるようになりました。
つまり、消費者は物件情報には簡単にアクセスができる。そしてマーケットには「買ってもいい物件」と「買ってはいけない物件」が存在しているのにも関わらず、不動産業界はいまだに物件情報を中心に捉えています。
私は、今の時代で不動産業者に求められているものは、「コンサルティング力」だと思っています。それは、買ってはいけない物件を正確に見極め、高い倫理観で、顧客が損をしないように、そして利益を最大化するためにサービスを提供することです。
構造的な欠陥だらけの不動産業界
このように不動産業界は、昭和の時代からほとんど変わっていないという、構造的な欠陥を抱えているわけですが、悪いことに欠陥はこれだけではありません。その構造的な欠陥とは、「両手仲介」です。
不動産業界はレインズという、不動産業者だけがアクセスできる、物件のデータベースシステムがあり、レインズには全国の売りに出されている物件が掲載されています。
売主から売却依頼を受けた不動産業者は、基本的にこのレインズに掲載することが定められていて、全国の不動産業者がレインズにアクセスすることで、売主はより広く情報を広めることができ、高く早く売却できる可能性が高まります。
具体的な全体像ですが、以下のイラストのようなイメージです。
よく「SUUMOなどに掲載している不動産業者からしか購入できないと思っていた」と言うお客様は多いですが、この図を見ると、基本的にはどこでも同じ物件が購入できることが分かると思います。問題は、売主から売却依頼を受けた不動産業者からも直接購入ができるという点です。
両手仲介はデメリットだらけ
両手仲介とは、売主から売却依頼を受けた業者が、買主も自社で見つけて、その仲介をすることです。売主と買主の両方から仲介手数料がもらえることから「両手仲介」と呼ばれます。
ただ実際に業務をしていて、両手仲介になることは決して多くなく、一般的に多いのが、売主と買主のそれぞれに仲介業者がついて取引をする「片手仲介」と呼ばれるものです。
不動産業者は、それぞれの顧客からしか仲介手数料がもらえないので、このように呼ばれています。
この2つを比べたときに、不動産業者にとって、旨みが大きいのはどちらでしょうか?もちろん両手仲介ですよね?両手仲介が実現できれば、一度の取引で売り上げが倍になります。
そして、この構造がどんな問題を引き起こすのかを、具体的に見ていきます。
「囲い込み」売主への背任行為・買主の機会損失
レインズの存在目的は、広く業者に物件情報を広め、売主が少しでも高く早く売却できる機会を提供することでした。
しかし、売却の依頼を受けた不動産業者が、両手仲介を狙い、買主も自社で見つけ、他の不動産業者が連れてくる買主候補には紹介できないようにしたらどうなるでしょうか?
これが俗にいう「囲い込み」で、その手法は、レインズに掲載しない、掲載しても「申込み有り」と断る、というあからさまなものから、「売主の都合で内覧できない」といったそれっぽく聞こえるものなど、多種多様です。
何にせよ、囲い込みの何が問題になるかというと、売主にとっては、早く高く売れる機会を逃すことになる背任行為ですし、買主にとっては機会損失でしかありません。
売却価格が高いほうが仲介手数料も高くなる(物件価格で決まるため)という考えもありますが、多少値段が下がっても、両手仲介のほうが不動産業者は儲かります
「囲い込み」で得をするのは、売却の依頼を受けた不動産業者だけで、他の関係者は全て損をするという最悪の行為です。もちろん、囲い込み自体は宅建業法で禁止されていますが、まだまだ囲い込みをしている業者は存在しているのが現実です。
ハウスクローバーでは、売主様向けに「囲い込み覆面調査サービス」を提供していますので、実際に現在売却中の方は利用して見てください。
売主の味方から買うこと自体、損をしやすい
もう一つの構造的な欠陥は、売主の味方である仲介業者から、不動産を購入すること自体、損をしやすいということです。
そもそも売主と買主は、「少しでも高く売りたい」と「少しでも安く買いたい」という、それぞれの利益が相反する関係です。
その両者の間の仲介に入るということは、必ずどちらか贔屓になってしまうので、どちらかが損をする可能性が高いということです。
これは極端な例えですが、裁判で「被疑者」と「被害者」の両方の弁護人を、同じ弁護士がするというようなものです。
そして先ほど、「不動産業者は、売主重視・買主軽視」であると解説しました。つまり、両手仲介の場合、買主が損をしやすいと言えます。
両手仲介はそのデメリットから、法律で禁止されている国が多い
このようなどちらかが損をする仕組みとなってしまっている「両手仲介」ですが、他の先進国は禁止されている国が多く、禁止されていなくても両手仲介しますよと、事前に申告が必要だったり、何らかの制限が設けられていることが大半で、日本ほど両手仲介が当然のように行われる国は、先進国の中でもかなり珍しいと言えます。
なぜ、日本では両手仲介が禁止されないのか?それは、政治的な理由です。
不動産業界で、両手仲介を積極的に狙っている業者は、実は大手が大半です。そして不動産業界には、業界団体がいくつかあり、大手を中心に形成されている団体(FRK)が、政府に対してフロント活動を熱心にしていることで、政治ではこの状況は変えられないのです。いわゆる既得権益ですね。
実際、2012年に民主党政権が誕生した際に、これまでの既得権益のしがらみがないことから、当然のようにこの「両手仲介」も禁止の議論が出ましたが、民主党政権は長続きせず、「両手仲介」の禁止は、消えてしまいました。
あのとき、民主党政権にもっと政権運営能力があればと思わずにはいられません。
どうやったら自分の利益を守れるか
このような状況下で、どのようにご自身の利益を守っていけばいいのか。それが今回のYoutube動画の本質的なところです。
これからの新常識として、私は「担当者を選ぶこと」こそが、ご自身の利益を守るための最善の行為となると考えています。
ただ、今ままでの不動産業界は、物件中心の業界で、サービス競争がほとんどなかった業界です。そんな中で、不動産業界に新しい新常識として、全国の優良な不動産エージェントとマッチングできるサイト「HOUSECLOUVER」を企画運営しています。
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