オフィスのデスクより、
自分の家族にとって適正な予算を知らずに家を買う。
そんなこと、って思うかもしれませんが、実は結構そういう方は多いのが現状です。
住宅を取り扱う仕事をしていると、任意売却といって競売の一歩手前の住宅がちょくちょく出てきます。
住宅ローンが原因となる自己破産になる人が全体の1%強といわれていて、競売自体は減少傾向で任意売却が増えているそうです。正確な数字は公表されていないですが、私の感覚だと5%くらいになるではないでしょうか。
100人いれば、競売になるのは1人か2人、任意売却になるのは5人くらい。
これらの家庭はすでに破たん状態ですが、これを多いと感じるか少ないと感じるか。
予算をオーバーしてしまうと、生活がキツキツになったり、最悪一家離散などを招いてしまいます。
だからと言って今度は逆に予算が安すぎると、思うような物件が見つからず、住宅を購入するタイミングを逃してしまいます。
ライフプランニングをすること以外で住宅の予算を計算することはできない。
あなたは住宅の予算をどのようにして考えていますか?
一番やってはいけないのは、銀行は不動産業者などから教えてもらう借入可能額。
これはあくまで銀行が計算する、単純な計算式であって、あなたの適正な予算であるとは限りません。
このパターンは危険信号です。もし今のこの金額を予算にしていたら、ぜひ考え直してください。
次に返済額からいくらくらいまで返せそうか逆算するパターン。これは結構正解に近いですが、70点です。
正解は「返済額」に「時間軸」を考慮することです。
時間軸を考慮するとは、今の状態だけでなく、お子さんに将来かかってくる教育費だったり、老後費用であったり、長い期間の生活設計から予算を考えることです。
ながらくこの仕事をしておりますが、ライフプランニング以外に予算の計算をすることは出来ないと考えています。
同じ年収、年齢、貯金であったとしても予算は違う
よく雑誌などを見ていると、「住宅の最適予算は年収の○%」とか「返済比率は○○万円まで」いった文言があったりします。
しかし、それには特に根拠があるわけではありません。
たとえ収入や年齢、預貯金などが同じであったとしても、家族のライフプランが十人十色であるように、予算が同じになることはありません。
どうやってライフプランニングをするか?
ライフプランニングはプロのファイナンシャルプランナーに頼むのが一番確実ですが、お金がかかります。
よく保険の方にやってもらったという方もいますが、保険のライフプランニングは何かあったときの必要額を求めるためのもので、目的が違います。
ネット上では自分で細かくプランニングできるサイトがありますので、それを利用するといいかもしれません。
他にも不動産仲介業者などでもライフプランニングをサービスとして提供しているところもあります。
ライフプランニングといっても中身には結構差があることもあるので、どこまで提案してもらえるか提案書の見本を見せてもらうといいかもしれません。
手間に感じるかもしれませんが、冒頭のように住宅の予算設定はあとあとの生活に跳ね返ってきます。
一番最初を間違えてしまうと、後から苦労してしまいます。
間違えても任意売却や競売なんてことにならないように、面倒でも時間をかけるようにしたいですね。
宮田明典
P.S
当社でも、ライフプランニングをサービスとして提供しています。