オフィスのデスクより、
今月の9日、国会で「住宅宿泊事業法」が成立し、2018年にも全国で民泊が解禁になる見込みです。
この国会で成立した「住宅宿泊事業法」では民泊の届出をするだけで、180日を限度に住宅地でも民泊のサービスを提供できるようになるというもの。
さてこの法律が実際どんな影響を与えるのか、不動産のプロの視点から考えてみたいと思いいます。
違法事業者が増える?
まず届出さえすれば180日を限度に民泊のサービスを提供できるというもの。
ただこの180日が随分中途半端な印象です。
解禁とはいうものの、今でもサイトではたくさんの民泊向け物件が掲載されています。
その大半は、投資用として年中貸し出している物件と言われています。
この法律にしたがって届出をすると、年の半分しか稼働出来ないことになります。
そうすると自然と無届けの違法民泊物件が増えるだけではないのかという懸念があります。
アメリカ発の民泊サイトで、日本でも先行している「エアビーアンドビー」などのサイトが国に民泊物件の情報をすべて提供すれば、取り締まることも出来なくはないので、僕だったら仲介をする民泊サイトにも法の制限をかけるようにします。
新しい体験をさせてくれる
どうしても悪い面ばかりがフォーカスされますが、良い面もたくさんあると思います。
僕も実は東京に出張しに行くときに、エアビーアンドビーを何度か利用したことがあります。
思いっきりリノベーションされたオシャレな部屋や、デザイナーズ物件などに泊まれたりします。
ホテルに宿泊するのとは違い、普通の家や部屋なので、その街に住んでいるような錯覚になります。
東京で生活したらこんな感じなんだな、という体験は民泊の良さでもあります。
最近では宿泊だけでなく、宿泊とセットで伝統的な工芸品製作を体験出来たるするようなパックも新しい形態として出てきています。
ツアーに近いのですが、一歩踏み込んで、よりその街や暮らしに溶け込むとこが出来そうです。
農業を体験できる民泊なんてのも面白いかもしれません。
劇薬は使い方次第
僕はこの民泊についてはある意味劇薬のような存在だと思っています。
うまく利用すれば、空家問題の解決や地方の活性化など、解決できる問題もたくさんありそうです。
不動産のプロとしては、特にそこに期待をします。
また世界中でムーブメントが起こっているように、これまでになかった体験が出来るところにも魅力があります。
しかしその一方で、宿泊者の騒音問題やトラブルなどの問題を抱えていることも確かです。
今回成立した法律がどれだけ実情をとらえて出来たものなのかは分かりませんが、自治体ごとにも裁量を与えるなど、柔軟な対応をしながら上手く活用出来るようになればいいなと感じています。
宮田明典
P.S
一番最近に読んだ本は、エアビーアンドビーのストーリー本です。創業から今に至るまで、色んな事が書いてあって面白かったです。
少し違った角度から物事を見ることが出来ます。あなたももしよかったら読んでみてください。