昨日、世間を驚かせたあるニュースが流れました。
それは、人口の減少幅が2023年10月1日時点で、83万人という過去最大のものとなったというニュースです。
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日本人人口、減少幅最大の83万人 外国人が労働力補う - 日本経済新聞
総務省が12日発表した人口推計によると、2023年10月1日時点で外国人を含む日本の総人口は前年比59万5000人少ない1億2435万2000人だった。減少は13年連続でマイナス幅は比較可能な1950 ...
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ずいぶん前から言われていることなので、変に耐性がついてしまっていて、「なんだまたか」と感じた方もいるかもしれません。
私も昔はそうでしたが、最近では感じ方が変わってきています。
特に不動産という仕事に携わるようになり、今のような資産価値のある家を買うことを推進するポジションを取るようになってからは尚更です。
なぜなら、人口減少は不動産の価値にとって最も影響の大きい要素でもあるからです。
日本の未来を人口から読み解く
例えば、私がよく目にする資料の中で、国土交通省が公表している人口の減少予測を示した以下の図があります。
今回のニュースでは、日本人の人口は1億2119万人でしたが、6年後の2030年には1億2000万人も下回ります。
さらに今から36年後には1億人すら下回る予想です。
そして人口に並んで注目したいのが、高齢化率です。
ここでいう高齢の基準は65歳以上になります。
ここからどんな未来が予想できるでしょうか?
まず都市圏の人口集中はどんどん加速していきます。
地域創生と言われていますが、若い人口が減っているのに、なかなか難しいように思えます。
中には消滅する可能性も増えてくるでしょう。
(実際に2014年公表された消滅可能性都市リストによれば、896もの自治体が対象となっています)
国土交通省の公表した資料によれば、2050年までに今現在、人が住んでいる地域の約2割が無居住化するとされています。
こんな未来が、今は待ったなしで進んでいるのです。
人口は都心部に集中していく
そして消滅する自治体が増え、無居住化するエリアが増える一方で、人口は都市圏に集中していきます。
高齢化が進めば、利便性が高いところに人が移動するのは自然の摂理に近い現象でもあります。
また一定数の人口がいなければ、公共サービスやインフラは提供できません。
人が減る地方はどんどん人口が流出していき、どんどん都心部に人が集まっていく。
これが日本が迎えるとされる未来です。
実際、日本全国で不動産価格が上昇しているように見られていますが、上昇しているのは都心部くらいで、消滅可能性都市に数えられる都市などでは不動産価格は下落の一途を辿っているところが多いです。
もちろん中には人口増加予測に変わっている自治体もあるので、全てではありません。
しかし将来の人口予測と不動産相場は強い関連性が見られます。
日本全国一律で人口は減るのではなく、都心部では人口が増えると予想されている自治体もあるくらいです。
地方の駅から離れた土地に注文住宅を建てている人たち
色々なSNSを見ていると、日本の新築信仰に対する根強い人気が伺えます。
特に注文住宅においては、着工数は減少傾向であるものの、一定の盛り上がりを見せています。
注文住宅そのものが悪いわけではありませんが、問題なのは高額になりがちな建築を相殺するかのように安価な土地に建てているところです。
今の時点で安価な土地というのは、それなりの理由があります。
消滅可能性都市に該当する、駅から離れている、など様々な理由が考えられますが、これからそう遠くない将来、無居住化するエリアかもしれません。
そんな立地に新築で注文住宅を建てて喜んでいる様子をSNSを見ると、なんとも言えない微妙な気持ちになります。
これからの日本は出口戦略なき住宅購入はリスクでしかない
これからの日本の不動産は、資産価値が残るところと、無価値化するところに両極化していきます。
高度経済成長期であれば、人口も増え、経済も成長し、どんな不動産を購入しても価値があるものとして考えられてきました。
しかし今は違います。
そんな状況下であるにも関わらず、今だに田舎の駅から離れた土地に注文住宅を建てて喜んでいる人を見ると、微妙な気持ちになります。
もちろん、リテラシーが高い人たちも最近は増えてきていて、このブログを読んでくださっているあなたもそのうちの人だと思いますが、私のもとには資産価値を考慮した住宅購入を考える人たちが日に日に増えています。
これからは人口が減ることを前提に、様々な戦略を立てていくべき時代です。
不動産もその一つです。
持ち家はうまく活用すれば、確実にあなたの暮らしを豊かにしてくれますが、負債しかならいないような家を買ってしまうと、あなたの暮らしが困窮してしまうことも考えられます。
出口戦略なき住宅購入はリスクでしかありません。
このことを念頭にこれから住宅購入を進めていくことをおすすめします。