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マンションで2LDKのような3LDKの間取りがなぜ多いかご存知ですか?

宮田明典(ハウスクローバー株式会社)

宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー。
ハウスクローバー株式会社の創業者兼CEO。
また同時に業界歴15年以上の現役不動産エージェント。
相談は全国から毎年300組以上、実際の売買もサポートするエキスパート。
多くの人から受ける相談内容と不動産業界の現状にギャップを感じ、住宅購入に必要なサービスと優良な不動産エージェントのネットワークを構築したプラットフォーム「HOUSECLOUVER」を企画運営。 自身が情報を発信しているYoutubeやブログは多くの住宅購入者にとって欠かせないバイブルとなっている。

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オフィスのデスクより

あなたは、物件情報を探しているときや、実際に内覧をしたときに、なぜ3LDKなのに中途半端な2LDKのような間取りになっているんだろう。

例えばこんな間取りです。

3LDKという表記になっているものの、LDKの隣の部屋(この間取りでは和室)に壁がないため、実質的に2LDKな間取りです。

家族の人数がいる方からしてみれば、なんで壁を作って3LDKにしないのだろうと思う方も多いのではないでしょうか?

実はこの間取りには販売業者の止むを得ない事情があるのです。

販売業者の止むを得ない事情とは?

それは、間取り表記の問題です。

建築基準法では、居室として表記するためには、壁の面積に対する開口部の割合が一定以上の面積がなければいけないという規程があります。

ですので、例えば先ほどの例に上げた間取りで和室の部屋を壁で区切ってしまうと、建築基準法上は居室としてカウントできないことになってしまいます。

居室として表記できない部屋はどうやって表記するのか。

この場合、よく見かけることがある「サービスルーム」や「納戸」という表記になります。

ですので、例えば和室の部屋に壁を作った場合、広告などの表記には「2LDK+S」といった表記になってしまうのです。

マンションの間取りで一番売れやすいのは「3LDK」と言われています。

なので、「2LDK+S」という表記で売り出してしまうと、問い合わせ件数や成約率に影響が出てしまうのです。

このような理由によって、2LDKのような3LDKの間取りがたくさん市場に出回っているのです。

一方でこのように、LDKに繋がる部屋が開口部の問題をクリアしている場合は、壁が作られ独立した居室をもつ3LDKとなります。

同じ理由でこのような間取りの中部屋については、居室と表記することができずに、サービスルームと表記されます。

実質的には部屋なんですけどね。

3LDKに見えるのに、2LDK +Sなどと表記されているのは、建築基準法上、居室として表記がすることができないので、このような表記になっています。

何事もないようなことでも理由があったりします。

普段は気にすることはないでしょうが、ちょっとしたトリビアとして知っておいていただけたら面白いのではないでしょうか。

宮田明典

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