オフィスのデスクより、
これから日本は人口減少社会になるということはご存じだと思いますが、人口減少がもたらす影響の大きさについては正しく理解されていない方も多いかもしれません。
人口減少は不動産市場にも非常に大きな影響をもたらします。
そこでこの記事では、人口減少が不動産にどんな影響を及ぼすのか、その影響と対策についてお伝えしていきたいと思います。
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人口減少がもたらす影響
人口が減るとどうなると思いますか?
家はもちろん余りますし、今でも余っています。空き家問題は大きな問題ですが、それよりももっと大きな問題があります。
それは自治体の存続です。
人口が減ると自治体は得られる税収が必然的に減ります。
それでも、公共サービスを提供していかなければいけません。そうすると削れるところは削らなければいけません。
今ある住宅地に住宅や会社、お店が点在しているような状況では、効率が悪く自治体にとって好ましい状況ではありません。
そこで政府は2014年に都市再生特別措置法という法律を施行しました。
エリアが選別される時代に突入
都市再生特別措置法はこれから人口が減って税収が減る自治体運営を念頭に、効率的な運営ができるように立地適正化計画への取り組みを促すものです。
立地適正化計画では、エリア内を「居住誘導区域(住宅を集めるエリア)」「都市機能誘導区域(会社や工場などを集めるエリア)」「それ以外」にわけることです。
つまりエリアを集約させることによってコンパクト化させ、効率的な自治体運営ができるようにする計画です。
つまりエリアの選別です。
今日本全国で水道管の劣化が社会問題になっていますが、街がコンパクトになれば手入れも狭い範囲で済むようになります。
そうなると、「それ以外」のエリアでは、もともと上下水道使えていたのが、急に汲み取り式になったりすることもあるかもしれないですね。
そんなエリアはどうなると思いますか?
おそらく、人は住みつかなくなりますし、売るにも売れない「負」動産になるのではないかと思います。
逆に居住誘導区域内や都市機能誘導区域内にあれば、資産価値は維持されます。
立地適正化計画を知らないと大損することに
そんな動きが今日本中の自治体で計画されていて公表されていっています。
昨年の年末時点で499の都市が実際に取り組んでいて、私が住んでいる名古屋市も計画は公表されています。
だれでもインターネット上で閲覧できるのですが、内容が内容だけにあまり積極的に広報されていないように思います。
理由としては、今でも「それ以外」のエリアに住んでいる人たちもいるからです。実際に自治体のHPを見ても聞き触りのいい言葉で説明されています。
しかし、こんな計画があるにもかかわらず、「それ以外」のエリアでも中古住宅は流通し、分譲住宅が建てられて売れていきます。
おそらく業者は売れるから作っているだけで、詳しいことは購入者に伝えていないと思います。
もちろん「都市再生特別措置法がかかっています」とは説明するでしょうが、中身をちゃんと説明したら売れなくなりますから、難しい言葉をつかってスルーしてるんだろうなと思います。
ただ割の喰うのは、業者ではなく家を買う人です。
今の世の中、知らないということはリスクでしかありません。
あなたも正しい知識を持つようにしてくださいね。
宮田明典