オフィスのデスクより
会社で事務作業をしていたとき、一通のFAXが届きました。そのFAXを受け取った私は、「いよいよ来たか」と思ったのです。それは、7月30日に指定されることになった「津波災害警戒区域」のお知らせだったのです、、、
津波災害警戒区域とは?
まず、そもそも津波災害警戒区域とは何ぞや?というところからお話をしていきます。
津波災害警戒区域とは、津波が発生した場合に住民等の生命または身体に危険が生ずる恐れがあり、津波による人的災害を防止するために警戒避難体制を特に整備すべきとして指定された土地の区域になります。
もともと国が定めた「津波防災地域づくりに関する法律」が根拠になっており、実は愛知県はいつもで指定できる状態になっていたにも関わらず、これまで指定してきませんでした。
話は変わりますが、あなたは5年前(平成26年8月)に起こった広島での土砂災害を覚えていますか?広島県北部の安佐北区や安佐南区の住宅地で発生した大規模な土砂災害のことで、多数の方が犠牲になりました。
この時、被害が大きくなった一因とされていたのが、土砂災害の可能性があったにもかかわらず、土砂災害警戒区域の指定がされていなかったことと言われています。
なぜそんな危険な場所であったにも関わらず、土砂災害警戒区域に指定されていなかったか、あなたは分かりますか?答えは「資産価値」が下がるからです。
災害と資産価値は密接につながっている
愛知県で津波災害警戒区域が指定されるのは、以下の自治体です。
名古屋市(中村区、瑞穂区、熱田区、中川区、港区、南区、緑区)、豊橋市、半田市、豊川市、津島市、碧南市、刈谷市、安城市、西尾市、蒲郡市、常滑市、東海市、大府市、知多市、高浜市、田原市、愛西市、弥富市、あま市、蟹江町、飛鳥村、阿久比町、東浦町、南知多町、美浜町、武豊町
ちなみに、ここに名の上がった自治体のすべてのエリアではなく、部分的に指定されているところもあります。詳細は、愛知県河川課のHPにも掲載されているので、そちらもご覧になってください。
⇒ https://www.pref.aichi.jp/soshiki/kasen/tsunamisaigai.html
このあと、資産価値に実際にどのような影響が出てくるかは分かりませんが、少なくとも人命を優先した県知事の判断は英断だと思っています。
私のスタンスとして、もともとこういった災害リスクの高い立地やエリアを避けるように提案していました。もちろん、安全上の問題もありますが、いつか津波災害警戒区域に指定された時に、資産価値が下がる可能性があったからです。
名古屋市の立地適正化計画においても、災害リスクの高いと思われるエリアが居住誘導区域外に指定されています。国や自治体としても、人命を守るのが使命である以上、そういった街づくりをするのは当然といえば当然です。
割とそういったところの方が土地が安くて新築も安いものだから、結構建っては売れているんですよね。建ててる業者は売れるから建てているのですが、それにしても知らないって怖いですね。
宮田明典
P.S
文中で取り上げた「立地適正化計画」についても、かなり重要です。HOUSECLOUVERの会員サイトでは、勉強会の動画が見放題になっていますが、その会員向けコンテンツにある「15.人口減少社会に備えて、街が選別される?」の動画内で詳しく説明しています。ぜひご覧になってください。本当に知らないことがどれだけ怖いかが分かります。登録は無料でできます。
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