オフィスのデスクより、
普段から色んな人の住宅探しをお手伝いするなかで、色々と気が付くことがあります。
それは、どれくらいの期間で決めていくかということ。
もともと弊社にいらっしゃる方の多くは、まだそれほど具体的にいついつまで、と決まっている方は少なく、1~2年くらいでと考えている方が多いです。
ただし実際に見ていると、割と早い段階で物件を購入する方もいれば、逆にいつまで経っても決められない方もいます。
今回は、この両者の違いを生んでいる違いというのは何のか?について考えてみたいと思います。
情報が豊富な時代だからこその落とし穴
今の時代、インターネットが発達し、スマートフォンも普及し、いつどこで誰でも欲しい情報にアクセスできます。
昔であれば住宅情報は、実際に不動産会社に足を運ばなければ手に入らず、みな実際にそうしていました。
しかし今は、インターネットを検索すれば市場に流通している物件はほぼ全部にアクセスできます。
多くの人は、選択肢の多さと自由を望んでいます。
しかしその選択肢の多さこそがこの時代ならではの落とし穴になっている可能性が実は高いのです。
人は選択肢が多くなると決められなくなる
選択肢が多い方がいいと考えられていますが、実はさまざまな研究結果によって、人は選択肢が多すぎると意思決定が出来なくなると言われています。
これを行動経済学の分野で「選択肢過多効果」といって、意思決定過程で提供される情報が増えると、人は情報過負荷と意思決定麻痺に陥ってしまい決めることが出来なくなってしまうそうです。
つまり、どんなに良い決断を下そうと思っていても、情報が多すぎると正しい決断ができなくなる状態に陥ってしまうそうです。
人間の性質を考えれば、なるべく少ない選択肢から選んだ方が良い決断ができるというのが色んな研究結果から証明されているようです。
早く決断している人ほど内覧数は少ない
選択肢過多効果のことを知って、何となく私の顧客に当てはめると同じ事が言えそうだなと感じました。
実際に、割と早く決断していっている方ほど、実はそこまで内覧数は多くありません。
あくまで傾向ではあるものの、成約された顧客を見ていると、多くの方の内覧物件数は1桁です。
きちんと統計はとっていませんが、感覚的に7~8割くらい方が当てはまる気がします。
中には内覧したのは1件とか、2件だけという方もいらっしゃいます。
もちろん、ネットで探した中で絞って1件、2件なので、実際はもう少し多い選択肢がありました。
住み替えの方は別として、ほとんどの方は賃貸に住みながら探していると思いますし、その間の賃料や住宅ローンを払い終わる時期などを考慮すれば、住宅購入は早い方が相場云々を考慮しても良いことの方が多いです。
もちろん、判断するために必要な情報というのがありますので、それをきちんと提示してもらえる担当者を見つけることが大前提です。
これから物件を探そうと思っている方も、すでに物件を探されている方も、ここでお伝えしたことを踏まえて物件を探していただければなと思います。
宮田明典