自宅の書斎より、
先日、テレビ番組「WBS」を見ていると、パナソニックがリノベーションショウルームをつくり、本格的にリノベーション業界に参入という話題にふれられていました。
価格は75㎡で1,000万円を想定。
「は?1,000万円?」というのが、わたしの正直な感想です。高いという意味の反応です。
部屋を一度解体してから、一から作り直すというコンセプトだそうですが、それでもちょっと高いなという印象です。
エリアごとにリノベーションの盛り上がりに差がある?
こういうニュースを聞くたびに思うのですが、こういうのって都心部であればあるほど効果を感じやすいんですよね。
なぜかというと、新築マンションが高いから。
特に東京都内であれば、新築は普通のサラリーマンには手が届かない価格帯です。
そしてそもそもの物件価格が高いから、相対的に1,000万円というのは、そこまで高いようにかんじないんですよね。
翻って地方に行くとどうでしょうか?
1,000万円を中古マンションを購入してリノベーションにかけるくらいなら、新築マンションが買えそうな価格になってしまいます。
またそもそもの物件価格も低いので、1,000万円という価格が高く感じてしまうんですよね。
東京、大阪、横浜あたりだと、そもそもの物件価格が高いので、それに合わせるかのようにリノベーションも盛り上がっています。
名古屋は三大都市といえど、東京・大阪と比べると物件価格はまだ安い方で、そこまでリノベーションも大きくは盛り上がっていないように感じます。
肝心な視点が抜けている
リノベーションが盛り上がることは、中古流通市場が活発になることにもつながるので、私としても大歓迎です。
おしゃれな雰囲気のするリノベーションは、私自身も大好きです。
ただ、こういったブームの陰に肝心な中古マンション選びの視点が抜け落ちてしまわないか不安にも感じます。
それは「そもそも1,000万円もかける価値があるマンションか?」
という視点です。
そもそもマンションの運営を見ていくと、買ってはいけない中古マンションって実はちょくちょくあるんですよね。
将来修繕積立金が足りなくなる。
大幅な値上げを余儀なくされそう。
調査の過程でそのように感じる中古マンションに、1,000万円をかけてリノベーションをする。
あなたも、これってなんか違うと思いませんか?
リノベーション以前に正しい物件選定を
「中古マンションは管理を見て買え」という格言があります。
中古マンションは管理の運営状況を見て判断しましょう、という意味です。
リノベーションというとどうしても、どんなデザインにして、どこの事務所にお願いしようかということが先行してしまいます。
中にはリノベーション業者で不動産仲介も行う「ワンストップサービス」を売りにしている業者もあります。
しかし彼らは、言い方は悪いですが、所詮リフォーム会社であって不動産の本当の意味での見極めは出来ません。
むしろリノベーションの予算を大きくしたいので、物件価格を抑えようと、本来であれば買わない方がいいと思われる物件を勧めてくることすら考えられます。
ワンストップサービスは確かに便利なのですが、こういったリスクがあることを忘れてはいけませ。
将来の資産価値に不安があるマンションにいくらお金をかけても、資産価値には反映されません。
本当に豊かな暮らしを実現したいのであれば、リノベーション内容はもちろんなのですが、資産価値が落ちにくいマンションを見極めることが何よりも大切です。
あなたも、もしリノベーションを考えているのであれば、物件探しは管理組合の運営状況の見極めが出来るエージェントを探すようにしてくださいね。
宮田明典