オフィスのデスクより、
私の会社では、かつてホームページに限らず、SUUMOやHOMESやAtHOMEなど、主要なポータルサイトにも結構物件を載せていました。今は預かった物件しか載せていませんが、基本的に勉強会やご来社いただく方には「旧耐震」の物件は極力避けるようにアドバイスするのですが、広告には「旧耐震」の物件も載っています。
ただ、旧耐震の物件に問い合わせをしてきた方の大半は、そこまで「耐震」について考えていないことの方が多く、きちんと説明をすると大体の人は旧耐震の物件は避けて探すようになります。
ただ立地で探している人や、低価格で探している人にとって、見た目の価格が安い旧耐震の物件は魅力的に映るのも確かです。そこで今日は、旧耐震の物件を避けた方がいい理由と、その対策について説明していきます。
1.家族の財産と命にかかわる
まず一番の理由はこれです。そもそも現行の耐震基準は、これまでの大地震のたびに改正され、今の基準にいきついています。つまり、現行の耐震基準を満たしていない物件については、そもそも安全上の理由があります。
また一戸建ての場合、一般的に新耐震と旧耐震の境目となる1981年6月の改正以降に、もう一度2000年6月に改正されています。1981年6月以降の建物でも、阪神淡路大震災の時に多くの物件が倒壊したことから改正されました。
2000年6月よりも前の物件は、現行の耐震基準を満たすものと満たさないものが入り混じっているので、注意が必要です。
2.住宅ローンの取り扱いが厳しい
営業の実務の中で、肌で感じていることです。まず、物件に貸すと言われる「フラット35」は使えません(実際はケースバイケースですが)。人によっては「フラット35」でないと借りにくい人もいますが、この場合は特に旧耐震の物件はできるだけ避けた方がよいと思います。
また地方銀行や信用金庫も旧耐震物件への融資条件は、全ての銀行ではないものの、そうでないものと比べて厳しくないっています。しかも年々厳しくなってきているような気がします。
逆に旧耐震の物件でも融資に積極的だったのが、メガバンクです。しかし、メガバンクはもともとの審査自体が厳しく、借りられる人も少なくなります。しかも三菱UFJ銀行は昨年の8月から、旧耐震への取り組みを止めました。
3.資産価値が評価されにくくなる
旧耐震の物件に対する住宅ローンの取り扱いが厳しくなるということは、それだけ購入できる人の分母が減ってしまうということです。住宅に限らず不動産というのは、ローンが付かないと買えない商品なので、融資が受けにくい物件はそのまま資産価値に反映します。
また旧耐震の物件では、住宅ローン控除や、住宅購入時の贈与税非課税枠などといった優遇税制は基本使えません。人によっては減税効果は何百万にも及ぶことから、少なくともこの分は価格の押し下げ要因になります。
大体この3つの理由をお客様に伝えると、「それならやめた方が良さそうだね」となります。
それでも旧耐震の物件がいい時は?
そうはいっても立地がいい物件には、旧耐震が多いことも事実で、同じエリアと条件であれば新耐震の物件よりも安く、魅力的に映ることもあります。そんな時はどうしたら良いでしょうか?
マンションについてはハードルが高いですが、一戸建てであれば耐震診断と、結果によっては耐震改修を行うことで解決できます。木造の戸建なら費用にして100~150万円くらいで耐震改修が出来ます。
また自治体により、補助金などを用意しているところもあり、ここ名古屋市では耐震診断は無料で、耐震改修にかかる費用も1/2かつ最大90万円まで補助金が出るようになっています。(平成30年3月現在)
物件購入時に耐震改修を行う場合は、スケジュールや工程管理、また書類の提出など、かなり複雑なスキームが必要になります。あなたも安い物件を探すのであれば、見た目だけの安さに惑わされずに住宅を探していくようにしましょう。
宮田明典
P.S
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