オフィスのデスクより、
暗くなってから、窓を開けて仕事をしていると、鈴虫の鳴き声が聞こえます。事務所は割と街の中にあるのですが、ビルの裏が庭のようなスペースがあり、緑があるので、そこのあたりにいるのでしょうか?
鈴虫の鳴き声を聞くと秋を感じさせます。そして鈴虫の鳴き声を聞くと、京都に行きたいなと思います。「鈴虫」と「京都」でピンとくる方もいるかもしれませんが、鈴虫寺という有名なお寺をご存知でしょうか?1年中鈴虫の鳴き声が聞こえることからそうやって呼ばれています。
願いが叶うと有名なお寺のようで、毎年というほどの頻度ではないですが、20歳のころから定期的に行っています。願をかけてお守りを持ち帰り、かなったら返しに行く。そしてお寺に参った時は住職の説教を鈴虫の鳴き声をバックコーラスに聞く。
ただこれだけのことなのですが、僕の秋の風物詩的な存在です。そんな長く通っている鈴虫寺の願掛けですが、1回願掛けをすると最低でも2、3年は叶いません(笑)一番長い時で7,8年くらい行かなかったこともあるくらい。
僕の影響で行くようになった僕の家内は、コンスタントに願いを叶えてます。願いを人に言ってしまうと叶わなくなるので聞きませんが、なんとなく想像はできます。少しがんばれば、叶うくらいの願い事にしなさいといわれ、そうしているのに叶わない僕と、コンスタントに叶う家内。
少し複雑な感じがしながらも、その後の京都の町の観光は僕にとって楽しみの一つです。祇園の周辺を探索することが多いのですが、あの街並みはとても素敵ですよね。古き良き日本の分化が感じられ、なんというか心が洗われるような気がします。
古き良き町並みには自治体の努力
京都のあの街並みは自治体による努力の賜物でもあります。町全体に厳しい景観の条例を設けて、あの雰囲気を壊さないようにされています。
だからこそ、街の魅力を失わずに、日本人のみならず、たくさんの外国人を魅了してやまないのだと思います。そしてその厳しい規制があるからこそ、不動産の価値は非常に高く維持されています。
以前ご紹介した新築マンションや中古マンションの年収倍率ですが、実は関東圏の次に高いのが京都なのです。古いものが評価される。なんだか京都は欧米の街づくりによく似てるなと思います。
家を買うだけでなく、街並みを買うという発想
欧米では、街づくりに統一感を持たせるため、色々と規制があり、その統一感が不動産の資産価値を高めている側面があります。人々は家そのものももちろんですが、その街並みを買っているといわれるくらいです。
名古屋でも京都ではないにしろ、堀川沿いにある四軒道や、緑区の有松など、厳しい条例を設けて街並みを維持している地域はあります。
僕の家は比較的四軒道のエリアに近い場所にあるのですが、その雰囲気が僕は大好きです。名古屋駅のように再開発がすすんで新しいものが立ち並ぶ街も、確かにそれはそれでいいのですが、古き良きものが放つあの雰囲気はまた格別なものがあります。
古さを活かすリノベーションという選択肢
そんな古き良きものを残す手段として注目されるのがリノベーションです。マンションなんかでも古いものですごくヴィンテージ感のあるマンションにたまに出会います。今のマンションにはない良さがあります。
そんな良い意味での古さを残しながら、住みやすくするリノベーションはこれからも大きなトレンドになっていきそうです。
中古住宅を探すときは、あえて良い古さの雰囲気のある物件を探してリノベーションするのもありですね。京都の街並みが年々見直されていくように、これからは古いものも価値を持つ時代がくるかもしれません。
宮田明典
P.S
ヴィンテージ感のあるマンションと、現代のオシャレな空間をミックスしたような物件も取り扱っております。日車マンション南山の取材記事を見る。
http://renofit.jp/2016/03/26/%e5%8d%97%e5%b1%b1%e3%80%80%e3%83%8f%e3%82%a4%e3%82%bd%e3%81%aa%e8%a1%97%e3%81%ab%e4%bd%8f%e3%82%80%e5%bf%83%e5%9c%b0%e3%82%88%e3%81%95%e3%82%92%e6%84%9f%e3%81%98%e3%82%8b/