オフィスのデスクより、
あなたは「コンパクトシティ」という言葉を聞いたことがありますか?
コンパクトシティとは、住宅が計画性なく虫食い状態で宅地化が進むことを防ぎ、商業地や行政サービスの機能を一定範囲にまとめ、効率的な都市運営や行政を目指すというコンセプトの都市です。
人口の小さな都市、という意味ではありません。
この概念は1970年代から存在していたのですが、近年になって再度脚光を集めています。
この記事は動画でもご覧になれます。
⇒ 動画で見る(Youtubeにジャンプします)
人口減少社会における都市のあり方
1970年代にこの考え方が出来た時は、都市部に人口の集中が進むと批判されたのですが、これから人口が減少していく中でこの考え方の重要性が増しています。
住宅や商業施設、福祉施設などを集約することで、生活に必要な機能を維持するため必要になるとのこと。
つまり維持管理費用がかかる水道や電気などのインフラサービスを人口が減少していく中で維持していくことが困難なので、無駄のないように都市を形成していきましょうということです。
あちこちに家が散らばっている状況では、自治体も負担が大きくなってしまいますからね。
ただ、これまでと大きく違っているのは自治体だけでなく国の政策でもあるということです。
居住誘導区域外は不動産の価値がなくなる?
政府は2014年に都市再生特別措置法を改正し、市町村に「立地適正化計画」の策定を求めています。
その計画で住宅を集める「居住誘導区域」と、商業施設や福祉・医療施設などの立地を促す「都市機能誘導区域」を設けるように促しているのです。
極端な言い方をすれば、居住誘導区域や都市機能誘導区域では、今後もインフラを提供していくが、それ以外の地域は提供してきませんよと宣言しているようなものなのです。
これらの地域から外れてしまったエリアは、生活に必要なインフラサービスが提供されなくなる可能性があることから、不動産の価値は確実に落ちていきます。
つまり街も選別する時代になってきているということです。
どうやって調べることが出来るか?
これらのエリアを定めるためには、自治体が立地適正化計画を作成しているかどうかがポイントになります。
作成している自治体は国土交通省のHPから確認することが出来ます。
→ http://www.mlit.go.jp/toshi/city_plan/toshi_city_plan_fr_000051.html
愛知県では、名古屋市も含め多くの自治体が取り組みをし、すでに計画を公表しています。
今後ますますこの動きは活発化していくものと予想されますので、これから不動産を購入する方はもちろん、現在不動産を所有している方もこの制度には注意するようにしてくださいね。
宮田明典