自宅の近くのカフェより、
今年の3月、日銀の黒田総裁がマイナス金利の導入を決定してから、およそ半年が経ちます。
それまではこれ以上安くはならないだろうと考えられていた住宅ローンも、マイナス金利が決まってからぐっとやすくなり、今では【フラット35】(35年全期間固定の住宅ローン)も、1%ちょっとというありえない金利を記録しています。
海外では毎月金利が戻ってくる国も
日本で先駆けてマイナス金利を採用していた北欧では、確かマイナス金利で住宅ローンを借りると、月々何千円かの金利が帰ってくる、その名の通りのマイナス金利状態になっている国もあるらしいです。確かデンマークだったか、スウェーデンだったか。
さすがに日本ではこんな状況にはならないと思いますが、銀行も大変ですね。貸せば貸すほど、マイナスという状況です。
さらに先ほどのフラットには 【フラット35s】というものがあるのはご存知でしょうか?
ある一定条件を満たせば、最初の5年ないしは10年の金利をさらに0.3%下げますよというものです。
これが利用できる物件であれば金利はさらに下がりますね。
10月1日より【フラット35】リノベの受付スタート
また今回は、試験的に10月1日より【フラット35】リノベの受付がスタートします。こちらも【フラット35s】と同じように5年と10年の2タイプがあり、こちらの金利の優遇率は0.6%とのことです。かなり大きな負担減になると思われます。
これは不動産業者の販売するリノベーション物件でも、自分で中古住宅を購入してリノベーションを同時に行うときでも、両方のケースで使えるみたいです。
ただ内容を簡単に見ましたが、対象となる工事内容の金額やハードルはそれなりに高く、この制度ができたからリノベーションが進むわけでもなく、ちょうどそのようなリノベーションを考えている人が使える程度かなと思ってみています。
発想は悪くないのですが、イマイチですね。。。昔の話ですが、民主党時代は、今になって思えば中古住宅市場にめちゃくちゃ優しい時代でした。
そもそも、2020年までに中古住宅市場を倍増させると打ち出したのもこの時代でしたし。しかも、補助金もかなり豊富にあって、最近のインスペクションなんかにもかかる費用の補助があったと思います。他にも大規模修繕工事に対して最大200万円の補助金、なんてのもあったような覚えがあります。
【フラット35】リノベがもたらすきっかけ
話はそれましたが、発表された瞬間からイマイチ感の強い【フラット35】リノベですが、僕的にいいなと感じていることが一つあります。
今回の制度の適用条件が先ほどお話しした「性能向上リフォーム」と、もう一つ「維持保全に関わる措置」があります。「維持保全に関わる措置」というのは、住宅情報履歴の保存であったり、維持保全計画の作成であったりするものです。
僕は以前から、家を買ってからがスタートだと口酸っぱく言っておりますが、それがこのことを言っているのです。
中古車を想像してもらうと分かりやすいのですが、同じ年式と距離数の車で、メンテナンス履歴があるものと無いもの。あなたならどっちを買いたいですか?
そう、家についてもこれと同じことが言えます。人はどんなリスクが潜んでいるか分からないことを嫌うのです。だから家もしっかりメンテナンスをしてその記録を残しておけば価値を維持できるということ。
そして維持保全計画を最初に策定し、それにそってメンテナンスしていけば家の価値も寿命も維持することが出来ます。こういった発想がこれまではほとんど知られていないので、これきっかけに少しでも広まってくれればなと思っています。
宮田 明典
P.S
ちなみに当社ではこの住宅情報履歴を保管したり、計画を立てメンテナンス時期が近づくとお知らせしてくれるシステムを導入しており、アフターサービスとして全顧客に提供しております。当社のエージェントサービスも是非ご参考にしていただければ。