自宅の書斎より、
先週の土曜日、とあるリノベーション物件を案内しました。
そのリノベーション物件は、売主の業者がこだわりをもってデザインしたのでしょう。パッと見はすごくオシャレなんですよね。
コンクリートの打ちっぱなしで、フロアもそれに合わせて選んであって、見た目ははっきりいって目を惹きます。しかしこういったデザインや色に特徴がある物件は、ハマる人にはハマるのでしょうが、なかなか売れていかない物件も多いです。かなり大胆なリノベーションがされていて、多少は値段が高いというのもあるかもしれません。
今回もいつものようにお客様も物件に入った時は、「おおっ」という風になるんですよね。しかもその物件は場所も良くて周辺環境も歩いてすぐのところに色々そろっていてとても便利な立地です。
マンション自体のスペックもよく、普通に考えたらすぐに売れていきそうなのですが、そのお客様はしばらく考えていました。
そして一言。
「このお部屋ってどんな家具を置いたらいいのかが分からない」
そう。実はそこなんです。
個性の強さは人を選ぶことも
普通の部屋であれば、特段リノベーションされたおしゃれ感のある部屋でなくても、置いてある雑貨やインテリアのセンスが良ければ、いくらでもオシャレに出来ます。その方は「壁紙を白に変えてもいいかな?」なんてことまで言いだしました。
結局個性的なお部屋って、住む人を選ぶというか、住む人とのセンスが合わなければ魅力的な物件だと思ってもらえません。極端な例を言えば、志茂田景樹をおしゃれと思うか思わないか(?)。
実際に中古マンションを購入して、1,000万円以上をかけてリノベーションをした物件を、訳があって3年で手放すことになった方がみえたのですが、結局売れた値段はそのマンションの平均的な市場価格に少しだけ上乗せされた価格で売却されました。市場では1,000万円のうちの1~2割ほどしか評価されなかったのです。
ただ一つ断っておきたいのは、僕はリノベーションに対して否定的なわけではありません。むしろ好きなくらいです。おしゃれなお部屋とか、本当にテンションが上がるほど大好きです。
将来の出口も考えておく
ただ一生そこに住むつもりで買ったとしても、何が起こるかわからないのが今のご時世です。万が一、売却したり賃貸に出すことも想定することが必要だと思います。
ここでは効果対費用の高いオシャレな部屋のつくり方を考えてみます。
①奇抜なデザインは出来るだけ避ける
②壁紙や床、キッチンなどにはできるだけ無難な色を選ぶ(アクセントはOK)
③個性を出すなら家具やインテリア雑貨で勝負する
これらを押さえておけば少なくとも、万が一売却するということになっても万人受けがしやすく、リノベーションにかけたお金と売価価格が著しく乖離することも減らせると思います。結局はセンスによるところが大きいと思うのですが(それいっちゃお終いかなw)、見ていて残念だなーと感じる物件も散見されます。
あくまで物件を売るという意味で、不動産のプロからの意見ですが、自分で中古住宅を購入してこだわりのリノベーションをすることには、きっと値段にはできない価値が詰まっているのかもしれませんね。
宮田明典
偉そうに言っていますが、正直その人に価値観によるところが大きいので、正解はありません。ただ、「それいいですね~」って言いながらどんどん見積価格をあげていくようなやり方はあまり好きではありません。色んな見方があるということを知ってもらった上で自分にとってのベストな選択をしてもらえたらと思いながら、今日もお客様と会ってきます。